東信地区初 信州上田医療センターに緩和ケア病棟 開設 感染予防策講じてテープカット

信州民報

コロナ禍で藤森院長語る「市独自の緊急事態宣言を」

上田市緑が丘の独立行政法人国立病院機構・信州上田医療センターは8月28日、新たに開設した緩和ケア病棟(西6階病棟)の運用開始(9月1日~)を前に、開棟記念テープカットと関係者への内覧会を実施。東信地区初の緩和ケア病棟開設に、地域医療充実への期待を寄せた。

なお予定していた開棟式は、市内の新型コロナウイルス感染者数の増加状況を踏まえて急きょ中止に。この日、参加者にはフェイスガード着用など徹底した感染予防策を講じた。

藤森院長はあいさつで、新型コロナウイルスの感染拡大に触れ「市内では明らかにクラスターが複数発生している」とし、市長らに「上田市独自の緊急事態宣言と、クラスター店の公表・休業要請を速やかにしていただきたい。そうでないと上田市の感染拡大は止まない」と要望した。

さらに「当院は上小地域の40人を超える新型コロナウイルス感染症患者の入院治療を行ってきたが、限界を超えている。上田地域を護るため、上田市独自で緊急に動いてほしい」とし、最後に「東信初の緩和ケア病棟がオープンすることとなり、感謝します」と述べて締めくくった。

緩和ケア病棟の病床数は24床(2床室16床、個室8床)で、2床室は間仕切りを用いてプライバシーに配慮。また家族控室(宿泊室)、共用キッチン、談話室、面談室などを備える。「住み慣れた地元で安心して緩和ケア医療が受けられるよう、緩和ケアの専門的知識・経験を有する医師2人と看護師17人(うち緩和ケア認定看護師1、がん看護専門看護師1、がん性疼痛看護認定看護師1)らの医療従事者を配する。さらに病室から地域を一望できるなど環境に配慮している。

内覧会には井出庸生衆議、羽田雄一郎参議、上田市医師会長、小県医師会長、県議、市議、上小地域の医療機関および企業など関係者が参加。3人ほどのグループで病棟内を見学した。またテープカットは藤森院長ほか村上真基緩和ケア内科部長、土屋陽一市長、信大医学部附属病院・川眞田樹人院長、クラウドファンディング支援者・吉澤要名誉院長、上田薬剤師会・飯島康典会長、森哲夫名誉院長、ルートイングループ・永山勝利会長、松丸隆行さんが行った。

6階西側が緩和ケア病棟
あいさつする藤森院長
個室
家族室(宿泊室)

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