「ただいま」「おかえり」を言いあえる地域に―。上田市の女性ボランティア団体「かがやき21上田」(南雲典子代表、30人)は15日、市内小学校6年生全員にと、会員らが手作りしたシトラスリボン1400個を市教育委員会に届けた。
シトラスリボンは地域、家庭、職場(学校)の3つの場所を『輪』で結ぶデザインで、新型コロナウイルスを巡る誹謗中傷や偏見をなくそうと、愛媛県から始まったプロジェクトのシンボル。愛媛県特産の柑橘類をモチーフとした、シトラスカラー(緑色)の「総角結び」のリボンだ。シトラスリボンは昨年11月末から、約1カ月かけて仕上げたという。
上田市内25小学校に現在、6年生は約1380人。この日、会員らと市教委を訪ねた南雲代表は「シトラスリボンの思いが、まだ子どもたちまで届いていない」と寄付の目的を話し、峯村秀則教育長に学校別6年生数に小分けした、シトラスリボンとシンガーソングライターのイ・ヨンボ作詞作曲の『ただいま! おかえり!って言い合える街に』のCDを各校2枚ずつプレゼントした。
峯村教育長は「心を込めて作ってもらったリボン。市教委の職員も作っているが難しいし、時間がかかると言っている」と話し、まごころの手作業に礼を述べる。そして「子どもたちは皆さんに支えていただき、元気に歩みを進めている。卒業式にはシトラスリボンを胸に、それぞれの目標に向かって力強く巣立ってほしい。皆さんの気持ちを伝える」とした。
なお上田市も同プロジェクトに賛同しており、贈られたシトラスリボンは今週中には各校に配布。市教委では「啓発の材料にしたい」としている。