上田市中丸子の丸子修学館高校で24日、県建設業協会上小支部の技術指導で「丁張技術実習」が行われた。人手不足が課題の建設業界への就労促進を目的に、建設系学科の高校生を対象とした取り組みの一環で、上田建設事務所の主管で実施するもの。
同実習は、土木技術者への就労促進を目的に同校の工業分野を履修する3年生28人を対象に行った。この日は建設業協会上小支部・栁沢昌美支部長と中島哲雄代人部会長ら部会員14人が来校し、「建設業のやりがい」を伝えて「計算講義」と「実技実習」を指導。また建設事務所整備課からは、倉田雅史課長ら3人が参加した。
丁張は建造物をつくる際に基礎の高さの目印として使うもので、木杭を打ち、板を取り付けて設置する。この日の実習は6班に分かれて中心杭を打ち、距離・高さを確認しながら、ささえ杭を地面に打ち付け、ぬき板を付けて法板を設置する一連の作業を行った。
初めて杭を打つ生徒もおり、建設業協会員は「手はこうすると良い」「足で抑えてやると上手くいく」など、コツをていねいに教える。距離を測る人、杭が曲がっていないか確かめる人、杭を抑える人、打ち込む人と、みんなで協力し、作業を進める生徒ら。技術と共に、コミュニケーションとチームワークの大切さも学んでいた。
担当教諭は「今年は工業系を選択した生徒が多く、建設業関係への進路を希望する者もいる」とし、「令和元年の台風19号で通学に苦労した経験を持つ生徒がいたり、復旧工事を目の当たりにして建設業の大切さを感じている生徒が多いと思う。実習が進路への見通しにつながると良い」と話す。
建設業協会員は「実習により、建設業を身近に感じてもらえれば嬉しい」と語り、生徒は「楽しい。やりがいがある。直接でなくても将来につながる貴重な体験」と目を輝かせた。
なお建設事務所の取り組みとして例年「現場見学」なども行っており、同校では31日(月)に工業分野履修の3年生28人と2年生25人を対象に、県測量設計業協会の技術者による「測量設計技術研修」が予定されている。