【上田市】 真田町戸沢地区「わら馬作り」講習会 コロナ禍 地区内希望者を対象に行う

信州民報

上田市真田町戸沢地区で毎年2月第2日曜に実施する、国選択無形民俗文化財「戸沢のねじと藁馬引き」に向けて7日、わら馬作り講習会が戸沢公民館で開かれた。

伝統行事の技術継承に取り組む戸沢活性化組合(宮島隆志組合長)が、2001年から講習会を開催。2013年からは技術を引き継いだ宮島幸男さんが講師となり、作成した画像資料を使って指導し、「きちんと美しく、端正に制作できる後継者を育てたい」と、わら馬作りを伝える。

講習会では毎回、父母や祖父らがわら馬作りに取り組む。また小学生から高校生までが、親や祖父母と一緒に参加する姿も見られる。さらに近年は地区外からも、わら馬作りを学びに来る人がいるという。しかし今年は新型コロナウイルス感染防止のため、地区内の希望者のみを対象とした。

会場には10人ほどが参加し、夫婦で力を合わせて作る姿や小学生が父親と一緒に制作を楽しむ姿が…。わらは同活性化組合がわら馬用に育てたものや、地域活性化に取り組む「戸沢酒米づくりプロジェクト」が遊休農地を活用して栽培した稲のわらで、丈が長いのが特徴だ。「わらを継ぎ足さずに巻き付けることができ、しっかりとした倒れない馬を制作できる」という。

この日は「孫のために」と、山崎修一自治会長も参加。「行事の開催に当たっては関係者に相談し、検討した。無病息災・疫病退散を願う行事でもあることから、行うことにした。新型コロナウイルス感染拡大防止のため無理なく実施する」と話す。

なお「ねじ」は、米粉で作った色美しく・様々な形の餅のことで、藁苞(わらづと)に入れて藁馬の背に結わえる。極めて珍しいことから、1996年に同文化財に指定。わら馬引きの前日に各家庭で作るのが習わしで、作り方はねじ保存会が伝承している。日程は2月7日が「ねじ作り」、8日が「わら馬引き」だったが、平成31年から休日(第2週の土・日曜)に変更した。

▲2歳の子どものために、夫婦で力を合わせて…
▲「孫のために」と、山崎自治会長(写真左)ら

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