上田市は12日、3月定例市議会に提案する令和3年度一般会計当初予算案などについて発表。土屋陽一市長は冒頭、新型コロナウイルス感染症について触れ、「陽性者数は減少傾向だが1月下旬以降、新規陽性者のうち70歳以上が半数以上を占めている」とし、改めて感染予防対策の徹底を呼びかけた。
令和3年度当初予算の特徴については、「後期まちづくり計画の初年度を迎えるため、計画に掲げる将来都市像を具体化するための施策展開を念頭に置いた予算編成」とし、新たな生活様式の実現を目指した取り組みや災害への備え、地方再生に資する施策にも積極的に取り組むことから、3つの重点分野に財源を優先配分している。
3つの重点分野は、①感染症拡大を防止するための柔軟かつ機動的な施策の推進②市民生活・雇用・事業・地域を守り抜く取り組みと「新しい生活様式」への対応③災害からの復旧・復興の推進と災害に強いまちづくり、環境保全。
3月定例市議会に提案する議案は、条例案12件(一部改正12件)、予算案20件(補正7件、当初13件)、事件決議案3件、報告案件1件の計36件。条例案のうち、上田市立幼稚園設置条例及び上田市保育所条例中の一部改正では、市立ちぐさ幼稚園の認定こども園への移行および、まるこ保育園の開園に伴い所要の改正を行うもの。
令和3年度当初予算案は、一般会計693億5600万円で、前年度比8%減。特別会計は7会計で総額340億5460万円、前年度とほぼ同額。企業会計は5会計で総額189億3823万円余、前年度比0.8%増となっている。3年度当初予算案の歳出は、重点分野別では次の通り。
【感染症拡大を防止するための施策】では、新型コロナウイルスワクチン接種に必要な体制を整備するワクチン接種確保事業に8730万円余。上田看護専門学校運営費補助に2267万円。新規事業では、上田地域での今後の看護師確保策を検討するため、学生らの就労調査などを行う看護師養成機関・確保策調査事業に220万円余など。
【市民生活・雇用・事業・地域を守り抜く取組と新しい生活様式への対応】では、GIGAスクール構想推進事業に9623万円余。中小企業金融対策事業に47億8100万円。新規事業では市技術研修センターをテレワーク拠点に再整備し、市内企業の支援や市外企業のワーケーション誘致を図るテレワーク拠点整備事業に1088万円余。インターナショナルスクールオブ長野・上田原キャンパス建設事業補助金に1925万円、公立保育園一斉メール配信事業に104万円余など。
【災害に強いまちづくり】では、公共交通運行支援等事業に5億3090万円。生ごみリサイクル推進事業に290万円余。新規事業では西内~東内に道の駅設置検討のための調査費・国道254号沿線道の駅整備事業に500万円。防災情報システム整備事業に3254万円余など。
また令和2年度一般会計補正予算案の主なものは、3月28日に行われる「別所線全線開通セレモニー関連事業負担金」200万円、長野国体ソフトテニス競技会場のための「テニスコート整備事業」3億6390万円余など。