長和町大門の佐藤飛悠馬君(15、依田窪南部中3年)が町へ自作の木製ベンチ1脚を寄付し12日、町役場で贈呈式が行われた。小さい頃から草花を育てるのが好きだったという佐藤君は、授業の一環として学校の畑でポップコーン用トウモロコシを栽培。夏休み明けに収穫し、その実を干して1袋100円で町内の農産物直売所「マルシェ黒耀」と和田宿ステーションに並べ、140袋ほどを販売した。
その利益の一部で、厚さ約3.5㌢×長さ3㍍の外材を購入。長さ100㌢×幅28㌢×高さ50㌢のベンチを仕上げた。全体に防腐剤を塗り、脚の裏にはクッションを張り、釘にひっかけないようにと釘穴は木製チップで埋めるていねいさだ。学校の庁務員さんの手を借りて、完成まで1週間ほどかかったという。
この日は担任の森田貴幸教諭とともに来庁し、森田教諭は「佐藤君は日ごろから『人の役に立ちたい』という意識が強く、コロナで学校行事が中止になる中、みんなのためになることをしたいと考えた」と紹介。佐藤君は「直角に切るのが難しかったが、上手くできていいベンチになって良かった。地域の皆さんに使ってもらえるとうれしい」と話す。
羽田健一郎町長は「質の高い、生きた教育を佐藤君が証明してくれた。作品は道の駅ながとに置き、多くの皆さんに発信していきたい」と感謝を述べ、「社会に対して貢献していくことを考えると、心が強くなる。これからの活躍を期待している」と激励した。
ベンチはとりあえず道の駅ながとバス停の待合所に置かれ、4月からは足湯のベンチに利用される予定という。佐藤君は取材に「町の人に座ってもらって、喜んでもらえればいい」とし、「社会貢献できる会社の社長になりたい」と笑顔で話した。


