上田市中之条の上田千曲高校生活福祉科で「地域福祉研究・高齢者分野」を選択する3年生10人は9日、市内の高齢者施設と交流する「ちくまオンラインハートカフェ」に臨み、リモートでの〟おもてなし〝を実践した。
担当の同高・等々力守教諭は「新型コロナの影響で施設実習が中止になり、高齢者と直接関わる機会が無くなっている。また高齢者施設も家族との面会や実習生の受け入れを制限しており、人との交流機会が減っている」とし、「新しい形での交流として、オンラインを活用することにした」と話す。
昨年度は、実習先の小規模多機能型居宅介護施設「大畑の家」(真田町)と地域密着型通所介護施設「デイサービスsora」(中央)の2施設と、それぞれオンラインで交流したが、今年度は学校と2施設の3カ所がZOOMでつながるように企画。生徒は楽しく交流できるよう内容を工夫し、準備したという。
「WA~会話・平和・つながる輪」をコンセプトに、福祉の学びで得た知識・技術を活用した〟おもてなし〝を企画。この日は生徒が主体となり「カフェ」を運営し、司会や進行、撮影も生徒が担当して約1時間、レクリエーションや喫茶タイムで和やかに交流した。
生徒考案の「脳トレ」では文字から言葉を作って各施設から発表してもらい、座ったまま行う「つるかめダンス」は生徒も高齢者も一緒にチャレンジ。身近にあるモノを見つけながら行う「しりとり」では、笑いが起こっていた。
「喫茶タイム」では、同校美術班がラベルをデザインし、生活福祉科生徒がPR活動に関わる「くわの美サイダー」(市内障がい者福祉施設・自主製品)で乾杯。会話担当生徒が「桑の実を食べたことはありますか?」と質問すると、「昔は桑畑がたくさんあった」「木からもいで、そのまま食べた」「甘酸っぱい味だ」と話は広がる。また楽器演奏が得意な生徒はホルン演奏を披露した。
高齢者は「懐かしい話ができて良かった」「音楽も良かった」「クイズもあって楽しませてもらった」と、嬉しそうに語る。生徒は「直接会えないのは寂しいが、今後もオンラインで交流して〟WA〝を広げていきたい」とし、高齢者理解を深めて次の交流につなげていきたいとする。