【長和町】山の子学園共同村と移転建設協定締結  町が所有する土地30年間無償で貸与 町長「安全・安心に暮らせる町づくりを」

信州民報

長和町は24日、町内にある障がい者支援施設「山の子学園共同村」の移転建設に伴う基本協定を、同施設を運営する(福)樅の木福祉会(本部・神戸市)と締結した。

山の子学園共同村は、長和町大門・美し松に1977年に開設。事業内容は入所支援、生活介護、短期入所、重度包括支援で、日中の活動と居住の場としての支援を一体的に提供している。

日中活動では入所者の特性・個性に応じて農作業や清掃活動、クリーニング業務、リサイクル作業、創作活動などを行っており、定員は入所40人・短期入所5人で現在の職員数は32人。利用者は20~70代で、平均年齢は約53歳とのこと。

施設の老朽化および利用者の高齢化と救急対応の増加、医療の高度化が進んだことから2018年、同福祉会が用地確保の協力を町に申し入れた。

協議および住民説明会を重ね、古町地区の多機能型事業所ぶらっと・古町屋内ゲートボール場・医師住宅(旧保育施設跡地)の敷地へ移転することとし、町はこれに併せて古町公民館(コミュニティ施設)を含めた一体的整備を進めている。

締結した協定の主な内容は、「町が所有する当該土地(4220平方㍍)を無償で貸与し、貸与期間を9月1日~令和32年8月31日の30年間とする」「移転建設する建物建築費用などの負担は町・福祉会で協議する」「当該土地に現存する施設の解体費用は福祉会が負担する」というもの。なお解体工事は今秋の開始を予定し、来年早々から建設工事を始め来秋には開所したいという。

町役場で行った調印式では、羽田健一郎町長が「長和町地域福祉計画(2020~2025)で『地域共生社会』の実現を目指しており、町の中への施設移転は〟支え合い〝に繋がる。障がいのある人も皆、一人ひとりが住み慣れた地域で安全・安心に暮らせる町づくりを推進していく」とあいさつした。

同福祉会長野支部・村田伸造統括施設長が、新型コロナ対策により神戸市からの来訪を控えた奈木野忍理事長のあいさつを代読。「地域の障がい者が利用しやすい場所、災害時に安全に避難できる場所への移転が実現することとなり、感謝します。移転地が長和町の福祉ゾーンの拠点、防災拠点となるよう事業を進めていきたい。新しい山の子学園共同村が、障がいのある人と地域の人が共に助け合い・支え合う『ふれあいの場』となり、ノーマライゼーションの実現に寄与していければ幸いです」と伝えた。

協定締結後、協定書を手に長和町の羽田町長(写真右)と、樅の木福祉会長野支部・村田統括施設長(写真左)
協定書に署名

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