第10回東日本大震災復興支援コンサート「君にとどけinうえだ」は13日、上田市文化会館で開催。10年間に及んだ震災被災遺児支援募金活動に、終止符を打った。
同コンサートは平成24年、ボランティアとして被災地で多くの被災者らのヘアカットに携わった、美容師の西原光男さん(72、上田市中央西)が「被災遺児のためにコンサートを開いて、あしなが育英会のレインボーハウス建設支援を」と、仲間に協力を呼びかけてスタート。
この声に、地元の合唱団や被災地出身のシンガーソングライター・濱守栄子さんらが協力。80余の企業・団体の協賛も得て、10回のコンサートを重ねてきた。現在は陸前高田市、石巻市、仙台市の3市に震災遺児らの心を癒すレインボーハウスが完成。同コンサート実行委員会(小山壽一委員長)からの支援金も約1050万円に及んだ。
開会にあたり(一財)あしなが育英会から10年間の支援に対して感謝状が贈られ、市立第三中学校生徒会(久保田優希会長)が資源回収で得た8万6237円と、同校と北小学校で育てた陸前高田市のヒマワリの種を寄付。最初から出演してきた「コーラス愛」「希望」「夢」の3合唱団と、10年ぶりの出演となる濵守さんが澄んだ歌声を聞かせた。
この日のコンサートは、リモートで被災地の子どもたちにもライブ送信。プログラム最後の3合唱団合同合唱・東日本大震災復興支援ソング『花は咲く』間奏中、発起人の西原さんが登壇し「10年間ありがとうございました」と声を張り上げた。
合唱指揮者の一人・中村由美子さんは、取材に「10年が終わると思うと寂しい。復興のまだ進まないところもある。支援は続けていかなければ」と。西原さんは「『被災遺児の悲しさは続く』の声に後押しされて始めた。大変な時もあったが、ここまで続けられたのも本当に多くの皆さんのおかげ」と話した。


