ワイン用ぶどうの収穫最盛期を迎えた、上田市丸子地区陣場台地のシャトー・メルシャン椀子ワイナリーで12日、ワイン仕込みがスタートした。
小林弘憲ワイナリー長は「長梅雨で生育が心配されたが、その後の好天により予想以上の収穫量となり、色付き良く糖度・酸度のバランスの良い、優れたぶどうができた。美味しいワインを期待してほしい」と笑顔だ。
この日は仕込み開始に先立ち、「2020年シャトー・メルシャン椀子ワイナリー仕込み式」を開催。昨年9月のワイナリーオープン後、仕込み式を行うのは初めてで約30㌶のぶどう畑が広がる美しいロケーションのもと、従業員らが参列して作業の安全と高品質なワインができることを祈り、神事を執行した。
シャトー・メルシャンの安蔵光弘ゼネラルマネージャーは「当地はワイン用ブドウ栽培に適している。特に今年は雨に強い圃場であることを確信した」とし、「地元のみな様にぜひ良いワインを味わっていただきたい」とあいさつ。小林ワイナリー長は「チーム椀子として、ぶどう畑の景観を維持して世界に誇れる日本のワインを作っていく」とし、従業員らと「ガンバロウ!」と拳を突き上げて仕込みへの思いを一つにした。
その後、仕込み作業を開始して振動選果台にぶどうを投入。エレベーターコンベアーから圧搾機へと、ぶどうが運ばれて『新酒』作りが本格始動した。
なおこの日、仕込んだのは椀子ヴィンヤードで収穫された『シャルドネ』約1700㌔㌘で、商品名『シャトー・メルシャン 日本の新酒 椀子シャルドネ2020』として、他の白ワイン新酒に先がけて今年10月24日に発売する予定だ。約1000本の製造を予定し、椀子ワイナリー限定で発売。価格は2600円(税込み、ワイナリー販売価格)を予定している。また今後『白』から『赤』へと、ぶどうの収穫が進んで仕込み作業は10月下旬まで続く。
2003年に開場した椀子ヴィンヤードは2019年9月、ヴィンヤード内に上田市初のワイナリーを開設し、昨年から仕込みを開始。現在8品種(メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、シラー、ピノ・ノワール、プティ・ヴェルド、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン)を栽培している。2020年のメルシャン日本ワイン全体の仕込み量は、前年並みの約640㌧を、うち椀子ワイナリーは75㌧を予定している。