上田市別所温泉の常楽寺美術館は開館50周年でこのほど、リニューアルオープンした。半田真慈住職は「50周年を機に市教委などの協力を得て収蔵品の整理を行い、常設展示内容を一新した」とし、「この機会に地元のみな様にもぜひ、ご覧いただきたい」と話す。
同美術館は、天台宗別格本山・北向観世音本坊の常楽寺(825年建立)の境内に昭和45年、寺宝や第55世住職・半田孝海大僧正が収集した古瓦を展示するために開館。第56世住職・半田孝淳大僧正(第256世天台座主)は、文化財の収集や保護に尽力した。古瓦600点ほど、寺ゆかりの美術品などは約800点を収蔵する。
リニューアルにより、 館内を常設展示ブースと期間限定展示ブースに分けて紹介。常設展示では第一章を「北向観音と金剛山照明院常楽寺」、第二章を「半田孝海と半田孝淳」、第三章を「常楽寺と芸術家たち」とし、『地蔵菩薩立像』(平安時代後期)、孝海・孝淳の書、倉田白洋や棟方志功の作品などを並べた。また中央には古瓦コレクションや徳川家康「日課念仏」などを並べ、中国宋時代の聖観音菩薩の木像などを展示している。
期間展示ブースの企画展は「常楽寺動物園」とし、『虎図』(伝・谷文晁)、『猿』(伝・狩野探幽)、『雉』(石井鶴三)などを展示。「動物は古来より絵や彫刻で表現されてきた。当館所蔵の動物作品を子どもたちにも観てもらいたいと思い、楽しい展示にした」と話す。12月24日(木)まで開催する。
なお新型コロナウィルス感染拡大という諸般の事情に鑑み、オープニングセレモニーは行わなかった。入館料500円。開館時間は午前9時、閉館時間は6~9月は午後5時、10~11月は午後4時30分、12~3月は午後4時、4~5月は午後4時30分。なお12月25日~1月25日は休館となっている。