【上田市】信濃国分寺資料館で「蘇民将来符展」 「八日堂縁日図」や多数の蘇民将来符 31日まで

信州民報

上田市の信濃国分寺資料館(尾見智志館長)で31日(日)まで、新春恒例「蘇民将来符展」が開催中だ。

蘇民将来信仰は中国から伝わったとされる民俗信仰で、「蘇民将来子孫人也(そみんしょうらいしそんひとなり)と書かれた護符を持っている者は災難をまぬがれ、その子孫は富み栄えた」という説話に基づく。信濃国分寺で例年1月に開く「八日堂縁日」では、護符として蘇民将来符の頒布を行っている。

同資料館では、蘇民将来符の由来を書いた「牛頭天王之祭文」(市指定文化財)や八日堂縁日の様子を描き込んだ「八日堂縁日図」(市指定文化財)などを展示するほか、市内の旧家から寄贈された明治時代前期から現代までの多数の蘇民将来符を並べ、昭和20~30年代の八日堂縁日のにぎわいを写した写真パネルも併せて展示。さらに同館が収集する他地域の蘇民将来符からも、兵庫県姫路市の廣峯神社の蘇民将来符を展示している。

蘇民将来符について、尾見館長は「全国的に見ると紙や板など平面的なものが多い」とし、「立体的な柱状の蘇民将来符は他にもあるが、上田のものは、かさ部分の先端が尖り、造形的にも手が込んでおり個性的」と説明。さらに「古いものほど絵が自由に描かれており、おもしろい。作られた時代の反映されたものもある」などと話した。

展示時間は午前8時30分~午後5時(ただし最終入館は午後4時30分)。水曜・祝日の翌日は休館。観覧料は大人250円、高校・大学生180円、小・中学生60円。

▲作られた時期によって絵が異なる蘇民将来符
▲「八日堂縁日図」
▲上田のものと全く異なる、廣峯神社の蘇民将来符

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