上田市生田の信州国際音楽村はこのほど、KODAMAサロン2021とし、演奏家・西山まりえさんが「バロックハープで聴く穏やかなバッハの午後」を開催した。
西山さんはチェンバロとヒストリカル・ハープという、2種の古楽器を自在に操る稀有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサートなどに参加して活躍。この日は、バッハおよびその周辺の優しい調べを古雅なバロックハープで奏で、その美しく心地よい音色で来場者の心に安らぎを与えた。
演奏したのはバッハの平均律クラヴィーア曲集より『プレリュード』、無伴奏チェロ組曲より『プレリュード』、ゴルトベルク変奏曲より『アリア』、フランス組曲より『サラバンド』、『G線上のアリア』やバッハより前の初期バロック音楽など。エピソードを交えて曲を紹介し、バロックハープの解説も行った。
西山さんはこの日、音楽村との関わりについて触れ「東日本大震災の6日後に初めて演奏会に来た時、若林邦彦理事長らが温かく迎えてくださった。翌2012年から仲間と共に毎年、ゴールデンウイークに中世・ルネサンス・バロック音楽のワークショップを行っている」とし、「コロナ禍で演奏家は思うような音楽活動ができていませんが、音楽の力は変わらないと思い研さんを続けています」と伝えた。