上田市上田情報ビジネス専門学校が「ココロの授業」 海洋冒険家・白石康次郎さんが講演!コロナ禍 人数制限・対策徹底で実施

信州民報

上田市の上田情報ビジネス専門学校は12日、第16回「ココロの授業」講演会を市内のサントミューゼ大ホールで開催した。


ココロの授業は、同校の比田井和孝副校長が行う「生きることの本質を考える」ためのもの。学生が感動し・自ら行動するようになる、この授業を広く一般に公開し、特別ゲストを招いて行うのがココロの授業講演会だ。


毎年、同ホールが満席になる人気の講演会だが、昨年は新型コロナウイルス感染症拡大のため中止に。今年は県内在住者のみを対象に、人数制限および対策を徹底して実施し、学生280人を含む約500人が聴講した。また後日行うweb配信には、400人以上の申し込みがあったという。


今回のゲストは、海洋冒険家の白石康次郎さん(54)だ。白石さんは今年2月11日、世界一周ヨットレースの最高峰「ヴァンデ・グローブ」で、アジア人初となる完走を果たした。4年に一度のこのレースはヨーロッパではオリンピック、ワールドカップ、ツール・ド・フランスに並ぶ注目の大会で、単独無寄港無補給・総距離約4万5000㌔㍍という過酷なもの。

白石さんは2016‐17大会に続く2度目の挑戦で、昨年11月8日に出発して94日21時間32分56秒(33艇中16位)でフィニッシュした。スタート後、1週間でメインセールを大きく破損するトラブルに見舞われたが、セールを修復して復帰。白石さんは「奇跡の積み重ねだった」とする。


この日は、第1部で比田井副校長が「白石さんとの11年」と題して話した。2010年に白石さんと出会い、「決して折れない心」で夢に挑み続ける人となりに感動し、応援を続けていることを伝え、今回のレースにおける偉業について紹介。


そして第2部では白石さんが講演。今回のレースをダイジェスト映像で伝え、「完走して…、何も変わらなかった、それが答えかな。子どものころ遊んでいたのと同じ、おもちゃが大きくなっただけ。自分が何者であるか確かめ、俺はこれでいいんだと分かった」と述べ、『幸せ』について語る。


「親の『人のせいにするな』という教えのもと、好きなことをやってきた。好きなことがわからないという人がいるが、好きなことはあったはずだ。好きなこと、得意なことをやり続ければ成功する」と語り、「今の時代、風が変わっている。これからは個性が生かされる時代」とし、学生らにエールを送った。

なお白石さんが「ココロの授業」で講演するのは、東日本大震災の影響で同レースへの出場を断念した2012年、初出場・途中棄権した後の2017年に続いて3回目。今回の講演後、22日(土)には表彰式に出席するため渡仏。6月にレースで使用したヨットが届いた後は、日本中をヨットで航海しながらイベントに出演予定のため、レース後の講演会は今のところ本講演だけという。聴講者は貴重な講演に、大きな感動を覚えた様子だった。

▲第1部では比田井副校長が白石さんについて語った
▲白石さんが講演する

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