【企業】シナノケンシ 「電動3爪ロボットハンド」新製品 発表 ラインナップ拡充とロボティクス製品展開

信州民報

コロナ禍で自動化の動きが停滞する間に、新たなニーズを生む新製品の拡充を―。上田市上丸子のASPINA(シナノケンシ㈱、金子元昭社長)は展開中の「電動3爪ロボットハンド」の既存モデルから、把持力を高めた新製品「電動3爪ロボットハンドARH350A」一般販売を開始するとしてこのほど、本社で記者発表した。

同社は「あらゆるものを把持に挑戦」をスローガンに、協働ロボットとの親和性が高く人の手に代わるための把持機能を持つ、電動3爪ロボットハンドの展開を進める。

同ロボットハンドは非定型物や柔らかい物などを判別し、柔軟に「つかむ・つまむ」との動作が可能で、柔らかいボールや細い綿棒、紙コップなどの把持も行える。またハンド中央部は中空構造でカメラやライト、エアー吸着、QRコードの読み取りなど様々な機能の搭載が可能だ。

発表した新製品は、同社で展開する既存モデル(ARH305A)の約10倍に強めた50ニュートンの把持力で、主に金属加工や精密部品組み立て、食品・化粧品・医薬品や物流分野などで一つのロボットハンドで様々なものをつかむ・把持することを目指す。

爪の付け根部分では最大3㌔㌘までつかむことができ、爪の先端部分では500㌘までの重量のものをつまめる。また「ブレーキ機能」を新たに搭載し、停電時など電源オフ状態でも対象物を落とすことなく保持できる。

同社ALビジネスユニット RT開発課長・佐々木岳さんは「新要素としてロボットハンドの側面に用意した3カ所のオプション面を利用すると、固定爪の取り付けや全く違う構造の爪を取り付けるなどが可能になる。ユーザーのカスタマイズ性が非常に高い」などと説明。

同社は「ラインナップの拡充で把持できるものの種類と幅がさらに広がり、各業界のニーズにこれまで以上に応えることができる」とし、新モデルに対して10倍の精度で力を調整できる既存モデルも精密作業用途として併売する。

またこの日は、『自動化』『省人化』『軽労化』をテーマにロボット市場向製品の開発を進めている、同社のロボティクス製品展開についても触れ、同社執行役員ALビジネスユニット長・中込真二さんは「今までは産業用ロボットを中心に進めていたが、今後はサービスロボットを含めたロボティクス分野での価値提案を進め、製品開発を進めていきたい」と話した。

sさ▲▲「つまむ・つかむ」といったデモを行う新モデル
▲ASPINA提供の新ロボットハンドの画像

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