【上田市】中丸子歴史研究会『シルクの歴史』完成現地調査や聞き取り調査を積み重ねて…中丸子自治会

信州民報

上田市中丸子自治会(堀内茂一自治会長)の中丸子歴史研究会(宮入命会長、26人)が進めてきた、同地区の歴史を追った冊子『シルクの歴史』が完成。21日、報告会を中丸子公民館で開いた。

同研究会は平成26年、中丸子公民館の新築に伴い旧公民館を解体した折り、旧中丸子村の資料が発見され、当時の小澤厚自治会長が村史編さんを提案したことをきっかけにスタート。平成28年からは市のわがまち魅力アップ応援事業の採択を得て、事業を進めてきた。


中丸子地区は明暦(1655―1658)年間、依田川原を中心に信州初の桑園、数十町歩の開発から始まり養蚕・蚕種業も盛んになり、その後は製糸業へと発展していった。やがて製糸業も衰退したが、鐘淵紡績(鐘紡のちのカネボウ)の誘致と、その後の発展で地域経済を支え続けた。


同研究会は編さんする内容を中丸子を中心とした「養蚕」「蚕種」「製糸」「紡績」とし、テーマ別に班分け。同地区在住の歴史研究家で上田女子短期大学講師・阿部勇さんの指導を得て、現地調査・古老などからの聞き取り調査を積み重ねた。


この日は約20人が参加。あいさつに立った、宮入会長は「5年間やってきた甲斐があった。みんなの力で出来上がってきた冊子」と喜び、同会副会長の堀内自治会長は会員らの努力に礼を述べる。阿部さんは「素晴らしい本ができた。歴史研究家が書いたのではなく、この地域に住む人々がていねいに調査した結果、出来上がったもの」と賞賛した。


冊子は「蚕糸業を支えた鉄道」「資料編」を加えた6章からなる。A4判、167㌻。1300部発刊。800部は全戸配布、残りは丸子郷土博物館、図書館、地域の小・中学校などに配布予定。希望者へは同研究会への寄付金として、1冊1200円で頒布する。申し込みは℡090―3558―5677(中山さん)へ。

▲喜びの歴史研究会員ら
▲ あいさつする宮入会長
▲冊子「シルクの歴史」


 

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