信州上田の病院を舞台に、余命いくばくもない老作家と看護師の心温まる交流を描く、短編映画『残照のかなたに』(ジャッキー・ウー監督作品)が10月28日、上田市の丸子中央病院でクランクイン。これに先立ち10月27日、同病院で制作発表会見が行われた。
会見にはジャッキー・ウー監督、主人公の老作家を演じるベテラン俳優の林与一さん、看護師長役で出演する上田市出身の女優・土屋貴子さん(信州上田観光大使)、プロデューサーの新田宏邦さんが出席。2019年公開の上田ロケ作品『兄消える』をプロデュースし、上田に馴染みがある新田さんが進行した。
丸子中央病院への感謝を伝えた後、新田さんは「厳密な感染症対策を講じ、病院と細かく連携し撮影を行っていく」とあいさつ。丸子中央病院の丸山和敏理事長は「断るのは簡単。でもやる理由、できる方向を考えることにした。絶対に感染者を出さないとの覚悟で対応していく」と、「ICT(感染制御チーム)指導のもと、感染防止に最大限の努力をして撮影に協力する。エンタテイメントの火を消さないよう頑張ってください」と伝えた。
今、注目のジャッキー・ウー監督は緊張のなか「病院の映画は病院で撮らないと空気感などが表現できない。わがままを聞いてくださった丸子中央病院に心から感謝する」と述べ、経験豊富な林与一さんは「監督に任せようと腹をくくって上田に来た。最後までやり抜く」とユーモアを交えて意気込みを語った。
土屋貴子さんは、旧知の監督について「インターナショナルスタイルの監督。私の故郷に来てくださり嬉しく思う」とし、「家族が丸子中央病院にお世話になったとき『チーム一丸となって全力でサポートします』と言っていただいたことが心に残っている。この病院での看護師長役しっかり務める」と話す。
老作家と交流する准看護師役は、オーディション500人の中から選ばれた新人・岩瀬あんなさんが務める。この日は岩瀬さんと、次点となり看護師役で出演する佐藤有里さんもあいさつし、初々しい姿を披露した。
なお同病院での撮影は12日間を予定。完成後は2022年海外映画祭(ブリュッセル国際映画祭、ショートショート・フィルムフェスティバル他)に参加し、その後に一般公開を予定している。


