災害発生時に被災地域で金融機能を提供する―と、JA信州うえだは『移動金融店舗車両』1台を稼働。オープニングセレモニーは6日、上田市住吉の㈱オートパル信州うえだ本社で開催した。「中山間地域の交通弱者への金融サービス提供にも活用を」と、地域貢献を目的とする。
この日は安全祈願の神事の後、眞島実代表理事組合長が「地域に根差した事業に取り組むなか、移動金融店舗車両は初の取り組み」とし、「災害発生時に組合員や利用者へ金融機能を提供するとともに、交通不便地域でのサービス提供や相談窓口として活用していく」とあいさつした。
農林中央金庫の和田敏希・県担当部長は「全国では105台が運用されている。災害時には圏域を越えてサービスを提供するもの」と伝え、県信用農業協同組合連合会・佐藤卓治常務理事は「県では9番目の導入となる。中山間地の多い長野県では地域のために有効活用されている」と来賓がそれぞれ語り、上田地域の稼働開始に期待を寄せた。
移動金融店舗車両は2㌧トラックで、荷台部分に接客カウンターと待合席を備え、職員が業務に当たる。ラッピングには、職員が撮影した「桜満開の上田城」と「稲倉の棚田」(保全委員会提供写真)を使用し、上田の美しい風景を伝える(6年のリース契約)。運用は「運転手を含め職員3人以上で業務に当たる」とし、「交通不便地での運用は中山間地を中心に巡回する予定で今後、運行計画を立てて有効活用していく」とした。