「安心して老いを迎えられるまち」を目指す、上田市の認定NPO法人・新田の風(井益雄理事長、医師)はこのほど、「第17回読売福祉文化賞(高齢者福祉部門)」を受賞。15日には役員らが市庁舎を訪れ、土屋陽一市長に喜びの報告をした。
同NPOは地域住民が支え合い、高齢者が安心して暮らせる在宅介護の仕組みを作ろう―と、新田地域で医療や福祉の専門家と自治会などが、平成23年ごろから活動を開始。高齢者が集う毎週金曜の「ふれあいサロン」や会員宅での出前サロン、ほろ酔いサロンなどを開催している。
この日は井理事長を始め事務局長の森江宏さん、サロンスタッフ女性ら9人が来庁。スタッフらは自己紹介しながら、サロンの必要性を話す。井理事長は「『仲間づくり』『支え合い』『住み慣れた家で最期まで』を3つの柱に活動している」と紹介。
さらに「新田地区の65歳以上の53%が独居。最期まで家で暮らすのが難しく、身内で支え合うのは無理、だから隣近所で支え合おうが始まり」とし、「いいノウハウが得られれば、高齢者福祉に革命が興せるのではないかと思う。形のないものに賞をもらい、励みとし、これからも頑張っていく」とあいさつした。
金曜の「ふれあいサロン」では囲碁やカラオケ、ゲームなどを楽しみ、1日30人ほどが訪れて年間では延べ4500人ほどになるという。土屋市長は「当初からの熱い情熱に風が吹いた。これが機会となり、モデル的に広がっていくと感じる」とし、「ますます発展することを願う」と称えた。
読売福祉文化賞は、社会福祉の分野で21世紀を切り開く創造的な業績をあげ、障がい者や高齢者の暮らしやすい環境づくり、自立支援、社会参加などに貢献している団体・個人に贈る賞。平成15年度にスタートして毎年、一般部門3件、高齢者福祉部門3件の計6件に活動支援金を各100万円授与している。
[信州民報:2020年1月19日(日)]
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