侍学園を15年間、支えてくださった皆さんへ恩返しのコンサート―。上田市の認定NPO法人「侍学園スクオーラ・今人」の長岡秀貴理事長は、ステージからそう呼びかけた。
元高校教師の長岡理事長と4人の若者がつくり上げた学校、侍学園(通称・サムガク)が誕生して15周年を迎える。24日には市内サントミューゼ大ホールで、記念チャリティーコンサート『ここから』が開かれ、会場は市内外の1100人以上で埋まった。
冒頭、サムガク15周年の軌跡が映像で流れ、プロ野球解説者・古田敦也さんら5人が映像でお祝いのメッセージ。ステージに立った長岡理事長(45)は、15年間の感謝を伝えて「全ての人生は『ここから』始まる。覚悟をすればスタートできる」と、思いを伝えた。
チャリティーコンサートでは、アーティスト・松山三四六さんがサムガクとの出会いについて語り、熱いステージを展開。会場の三四六ファンは総立ちで盛り上がり、トークと歌声を楽しんだ。途中、侍学園をモデルに作った『サムライの花』の披露、サムガク在校生29人が三四六さんと歌う曲『ライチョウ』もあり、会場からは温かな拍手が送られた。
他にも、映画『サムライフ』の森谷雄監督がサプライズ出演。さらにサムガク卒業生のVTRメッセージでは、飲食店店長として社会で働く卒業生が「サムガクで初めて声を出して笑えた。サムガクは社会に出るきっかけをつくってくれた。社会って悪いもんじゃない」との言葉に、「胸が熱くなった」と話す人も…。
またこの日は、長岡理事長が沖縄校生徒への思いを曲にした自作の『ちゃらゆい』と、サムガク生徒に贈る曲『花束』を披露。最後に、出演者ととともにステージに立った長岡理事長が「みんなが居なかったら今の自分はなかった」とし、「15年間ありがとうございました。30周年を目指して頑張ります」と、感謝の言葉で締めくくった。

[信州民報:2018年6月29日(金)]

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