台風19号の豪雨による千曲川の増水で道路の一部が陥没し、全面通行止めとなっていた(主)丸子東部インター線・田中橋は11日午後1時、5カ月ぶりに規制が解除されて通行可能になった。
上田市下丸子~東御市祢津を結ぶ県道81号丸子東部インター線は、国道18号や上信越自動車道東部湯の丸ICにつながる道路で、平成27年実施の同線付近での観測では1日に自動車約1万3000台が通行しているという。
災害では千曲川の増水で、同線・田中橋(1969年建設、長さ97・6㍍、歩道を含む幅9・3㍍)右岸側橋台の背面の道路が陥没し、約20㍍に渡って流失したことから全面通行止めに。県では発災直後から、工事用進入路及び水の侵入を止める仮締切工に着手。3月中の規制解除を目指し、コンクリートブロック張りの護岸を設置して橋台を守る作業など、道路として必要な箇所を先行して作業してきた。
上田建設事務所整備課・荻原公寿課長は「同線は交通量が多く、通行規制中は迂回した車により周辺の国道18号などで渋滞も起きており、なるべく早く開けたかった」とし、「今年は雪も無く工事が順調に進み、全面通行止めを解除するための道路工事が完了し、一安心」と胸を撫で下ろす。
規制解除当日は、解除前から多くの車が開通を待つ列をつくる様子が見られ、橋を歩いて渡ろうと子どもから高齢者まで大勢の歩行者も集まった。開通と同時に多くの車や歩行者が橋を渡り、歩行者らはみな嬉しそうな笑顔。同橋を利用しているという人々は「買い物に行くにも遠回りをしなくてはいけなくて困っていた」「開通して良かった」「やっと開いてくれたという感じ」など、口々に話す。
なお千曲川の増水で被害を受けて護岸工事などが必要な箇所は全長110㍍で、橋の下流では工事が継続中だ。現在60㍍ほど工事区間が残っているといい、荻原課長は「残りの工事もできる限り、6月ごろの出水期前には終わらせたい」と語った。
[信州民報:2020年3月13日(金)]
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