2月3日を中心に、上田・小県地域では各所で恒例の「節分会」があり、豆まきをする大勢の人でにぎわった。ここでは各地の様子を伝える。
北向観音
上田市別所温泉「北向観音」の節分会は、今年106回目。本坊・常楽寺本堂は100人余の福男・福女の熱気に包まれた。天気にも恵まれ法楽は、半田真慈・第五十九世常楽寺住職(42)が導師を務め、10人の僧侶で執行。半田住職は「旧暦なら今日は大晦日。季節の変わり目に生じる邪気を追い払い、今日一日笑顔でたくさんの福を持ち帰ってほしい」として勤続40年、30年、20年、10年の節目の計9人に表彰状を授与した。
その後、年男・年女らは「仏教の三煩悩」を表す赤鬼、青鬼、黒鬼を先頭に常楽寺から北向観音堂までの約800㍍を、沿道の人たちに福豆を配りながら歩いた。お練りに続く御輿には同寺の開祖・慈覚大師(円仁)の木像を乗せ、半田住職はじめ僧侶らも沿道を埋める人たちに笑顔を向ける。
芸能人らが多数参加することでも有名な同節分会。今年のゲスト初参加は女優の由美かおるさん、俳優で歌手の竹本孝之さん、タレントで長野大学客員教授の松山三四郎さんら。由美さんは沿道でサインをねだる人や一緒に写真を撮る人たちに囲まれ、一向に進めない。
由美さんは取材に「こんなふうに福豆を配って歩くなんて初めて。皆さんに直接、声をかけてもらえるからうれしい」と、竹本さんは「平日でこんなに人の出ている節分会はない。地域の伝統を大事にしている証拠」と、松山さんは「全国の節分会でやってほしい」と、みな満面の笑顔で話した。
北向観音境内の特設ステージでは由美さんらを始め川上麻衣子さん、常連の原田大二郎さんら著名人ら約30人が、半田住職の「福は内、鬼は外」の掛け声に合わせて豆まき。境内を埋め尽くした約800人の参詣客は、多くの福を受け止めようとサインボールや福豆に手を伸ばしていた。
[信州民報:2020年2月5日(水)]
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