169系電車に集まって〟暖かさ〝を分け合おう―。坂城町と169系電車保存会(金子万文会長、45人)はこのほど、2日間にわたり坂城駅前多目的広場に静態保存されている、169系電車内で「ウォームシェアスポット」を開催した。
ウォームシェアスポットは、暖房が効いたスポット(公共施設や店舗など)に集まって暖かさをシェアする(分け合う)こと。各家庭で使用する暖房機器の電力を抑制し、節電・省エネルギーを図ろうというもので、全国各地で行われている。坂城町では169系電車を活用したイベントの一環として、冬の「ウォームシェアスポット」、夏の「クールシェアスポット」を行っている。
169系電車は昭和43年、旧国鉄「信越本線」の横川―軽井沢間を走る電車として誕生。急行「信州」「妙高」「志賀」として運行され、晩年は普通列車として親しまれた。老朽化により2013年に引退し、その後しなの鉄道から坂城町に譲渡され、静態保存されている。
保存3両のうち「クモハ169‐1」「モハ168‐1」の2両は、その形式の車両で最初に製造されたトップナンバーだ。もう1両の「クハ169‐27」は同形式の最後に製造されたラストナンバーで、貴重な車両であり車両開放のイベントには全国から鉄道ファンが訪れる。
今回の「ウォームシェアスポット」にも、県外から鉄道ファンが来て写真撮影する姿などが目立つ。また車両内には169系がしなの路を走る懐かしの写真、全国の貴重な引退車両写真を展示して参加者を楽しませた。さらに暖かい電車内で幼児とゆったり過ごす家族、車内で勉強する中学生ら地域住民が思い思いに「ウォームシェアスポット」を楽しんでいた。
[信州民報:2020年1月31日(金)]
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