小惑星探査機「はやぶさ2」について知ろう―と26日、上田市の上田創造館プラネタリウムでJAXAはやぶさ2プロジェクトサブマネージャー・中澤暁氏とJAXA元理事で上田創造館名誉館長・山浦雄一氏によるトークライブが行われた。
小惑星「リュウグウ」から星のかけらを持ち帰ることを使命とする「はやぶさ2」は、2014年12月3日に打ち上げられ、約3年半にわたり宇宙を旅して08年6月27日に小惑星に到着。地上へのタッチダウンを繰り返して星のかけらを採取し、昨年11月13日に帰還の途に就いた。地球に帰りつくのは本年末の予定だ。
中澤氏は小惑星の物質を採取し、持ち帰るという「はやぶさ1」に続く世界に類を見ないミッションや着地・サンプル回収までの苦労、カプセル回収の仕方などを紹介。「太陽系の起源・進化や生命の原材料物質の解明に役立てる事業」とし、「科学的には、はやぶさ1のような感動的な映画にならなくてもいい、ノートラブルが理想」と話す。
また山浦名誉館長は「はやぶさ1」の目指した小惑星イトカワが糸川英夫博士に由来するものとし、「糸川博士は上田市で晩年を過ごし、墓も上田にある。すごいこと」と伝え、「地球の内側の軌道を描く小惑星の調査研究は、地球の安全を考える研究でもある」とし、はやぶさ2の打ち上げの苦労話などを語った。
同トークライブは18年4月、9月に次いで3回目。過去2回は神奈川県相模原市のJAXAキャンパス横の市立博物館をメイン会場にインターネットで生中継され、今回は上田創造館をメイン会場に全国にライブ中継された。
プラネタリウム120席は親子連れで満席で、質問コーナーでは小4女児が「はやぶさ2の形が四角の理由は」と。また小3男児は「はやぶさ2に取り付けられたリアクションホイールやインパクターについて」などと専門的な質問が飛び出し、子どもたちの宇宙に対する興味の高さを示した。


[信州民報:2020年1月29日(水)]

《購読のお申込み・お問合わせ》
TEL:0268-22-7355
お問い合わせフォームはこちら