文化財防火デー(1月26日)に合わせて24日、上田地域広域連合消防本部上田中央消防署・上田東北消防署・真田消防署は上田市真田町の長谷寺(宮下俊哉住職)で、同本部の上田南部消防署・川西消防署は青木村田沢の豊受神社でそれぞれ、文化財火災想定訓練を実施した。
長谷寺の訓練は、寺の庫裡から出火した火が風にあおられ本堂に延焼拡大し、負傷者はない模様という想定で実施。午前9時30分に通報を受けた3消防署の署員ら29人とタンク車、ポンプ車が駆けつけ、2カ所の防火水槽から取水し、ホースを伸ばして放水。無事、9時49分に鎮火した。
訓練前には宮下住職や松尾文人自治会長、寺の護持会役員らによる初期消火訓練、非常持ち出し品搬出訓練なども実施。松尾自治会長は「地域の大事な財産。訓練は有り難い」とし、護持会会計の一之瀬龍雄さんは「火事に対する備えは肝に銘じてやっていかなくては」と話す。
宮下住職は、取材に「同寺はこれまで3度の火災に遭い、明治23年には全山を焼失し、あらゆる歴史的資料を失ってしまった」とし、「改めて火災予防に心を引き締めた。寺は地域の財産、末永く守っていけるよう安全・安心な社会づくりに努める」と話した。
昭和24年の1月26日は法隆寺金堂の壁画が焼失した日に当たることから、この日を中心として貴重な文化財を火災・震災その他の災害から守るため、全国的に文化財防火運動を展開する。26日は丸子消防署・依田窪南部消防署が上田市東内の法住寺虚空蔵堂で、東御消防署が東御市下之城の両羽神社で火災想定訓練を行った。


[信州民報:2020年1月28日(火)]

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