【上田市】 「腰越村記録の会」が歴史を調査・研究! 「マップ」や「案内板づくり」に取り組む 今春からは『ふしぎ探し』の調査も…

信州民報

上田市(旧丸子町)腰越地区の歴史を掘り起こし、記録として残して後世に伝えようと7年前から活動する、腰越村記録の会(香山知加子会長、12人)。同会では地区内に残る古文書(名主文書)をひも解き、歴史を調査・研究している。


2019年からは上田市魅力アップ応援事業の補助を受け、腰越地区の住民の協力の下にマップや案内板づくりに取り組んできた。完成した『歴史探訪 腰越 ふしぎ発見探検ガイドマップ』では、地区内を「町」「向井」「深山」の3コースに分けて歴史と名所旧跡などを紹介している。


「町コース」では、縄文中期の大規模集落が発見された渕ノ上遺跡、製糸業で栄えた歴史を伝えるカネワ製糸工場跡、蓮乗寺、全芳院などを紹介した。


「向井コース」では、丸子地区農業用水・東塩田地区ため池・腰越浄水場の水の取り入れ口である依田川頭首工、馬坂橋(令和元年台風19号で流され、復旧中)と桜堤防、鳥羽堂・龍頭山龍福寺(信濃三十三番札所巡り二十八番札所)などを紹介。


「深山コース」では、一龍三体伝説とそれに関係する場所、深山諏訪神社などを紹介している。そして腰越橋のたもとに案内看板を設置。寺社や山城跡、景勝地を示す鳥瞰図とガイドマップの3コースを記したもので、横3.6㍍・縦1.2㍍の大きさ。看板下には、ガイドブックを入れたポストも設けた。


また地区内に50本の案内板を設置。武石地区の木材会社から譲り受けた板に、全芳院・蓮乗寺・長光寺の住職と書家が手書きで見どころ・矢印を記したもので、地区住民が設置に尽力したという。


香山会長は「地域の皆様の協力を得てガイドブックや案内板が完成し、感謝するとともに大変嬉しく思う」と話す。そして「これからいよいよ歴史探訪を実践していく」とする。今後は『腰越ふしぎ発見調査研究隊』とし、「古文書・絵図に記され現在、不明になっている神社仏閣などの場所を特定したい」とする。


現在、絵図と航空写真を照らし合わせて、寺社があったと思われる場所の見当をつける作業などを進めており、香山会長は「今春あたりから『ふしぎ探し』とし、その場所へ行って、なぜそこにあったのかなど調査を行いたい。広く参加を呼びかける」とした。

▲古文書の絵図と現在の航空写真を見比べる香山さん
▲ガイドマップの表紙
▲案内看板

関連記事一覧

特集記事

TOP