【上田市真田町】 伝統行事「戸沢の藁馬引き」  コロナ禍 時間を短縮し実施

信州民報

上田市真田町戸沢地区の伝統行事「戸沢の藁馬引き」(国選択無形文化財)は13日に実施。新型コロナ対策のため時間を1時間に短縮し、行った。


子どもの健やかな成長を願い、祖父や父らが作った藁馬を地区内の家や父母の実家から、就学前の幼い子どもらが引いて道祖神をお参りするもの。馬の背には、祖母や母らが作った「ねじ」という餅菓子を藁に包んで結わえられている。


米の粉で作る「ねじ」は赤・緑・黄で彩られ、花やうさぎ・かめなど色々な形があり、中には餡が入っている。例年は「ねじ」を道祖神の前で交換するが、今年はコロナ対策からこの儀式は取りやめとした。


地域の役員はじめ住民は「コロナに気を付けながら、子どもの健康と成長だけでなく地区の安寧と無病息災を願って、地区の伝統を守ります」と、安全に行事を挙行。関係者らに見守られながら0歳から就学前の幼い子が、親に付き添われて歩いて馬を引き、また親に抱っこされ道祖神を参拝した。


「今年で最後です」と話すのは、父・堀内英二さん。今春、入学する瑛友くん(6歳)は楽しそうに馬を引く。「祖母、母を中心に皆で作った」という「ねじ」は葉や雀、花の形で、「食べるのも楽しみ」と笑顔だ。


この日は、公民館に「戸沢のねじ」などに関する展示も実施。「ねじ」の実物展示、紙芝居『戸沢のねじ』(宮島清著)や映像資料での「ねじ」紹介、ミニ藁馬の展示などを行って伝統文化を伝えた。

▲藁馬を引く子どもを見守る

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