【坂城町】 2会場で「坂城のお雛さま」始まる! 古雛や江戸から昭和までの雛人形展示 押絵雛「蘇民将来符を担ぐ大黒天」も

信州民報

坂城町内と県内外に残る江戸時代から現代までの雛人形を展示する、第7回「坂城のお雛さま」(主催・坂城町など)が、8日から始まった。


第1会場・坂城町鉄の展示館には、町内や県内の古雛(享保雛、古今雛など)と、京都伝統の立ち雛・御所人形、江戸時代から現代に至る絵雛などを展示している。


江戸時代中期に京都で生まれ、各地で作られるようになった享保雛は面長な顔と豪華な衣装が特徴。江戸時代後期に江戸で生まれた古今雛は現代の雛人形のルーツとされ、人間的な顔が特徴だ。


今展では、町内などの個人が大切に保管してきた江戸時代後期の雛人形を多数紹介し、長野市の個人宅で伝来した県内最大級の大型享保雛も展示。これは数年前に、真田宝物館が所蔵する大型享保雛と双子の雛人形であることが判明したという。


第2会場・坂木宿ふるさと歴史館には、町内に残る江戸から昭和までの雛人形を展示。京の御所をモチーフとした「御殿」の中に、内裏雛・官女・大臣などを配した御殿飾り雛や竹田人形も並べた。


押絵雛の中には「蘇民将来符を担ぐ大黒天」もあり、蘇民将来符は信濃国分寺のものを手本にしたと思われる。また台紙には蚕に卵を産み付けさせた厚紙を使用しており、養蚕業が盛んだった上田地域との関連がみられる内容だ。


そして両会場を、さかき和布の会が制作した吊るし飾りが彩っている。同会は表情豊かな雛人形なども制作しており、見る人たちが愛情を込めて「ブス雛」と呼ぶ、なんとも愛嬌のある雛人形も坂木宿ふるさと歴史館に展示。来場者を笑顔にさせている。


会期は3月27日(日)まで。両会場とも午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入館料は鉄の展示館400円、ふるさと歴史館100円、どちらも中学生以下無料。なお鉄の展示館入館者はふるさと歴史館無料、ふるさと歴史館入館者は鉄の展示館300円。

▲坂城町鉄の展示館の展示風景
▲蘇民将来を担いだ「押絵雛」
▲愛嬌のある雛人形も…

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