上田市日本遺産推進協議会はこのほど、長野大学(環境ツーリズム学部)や塩田まちづくり協議会などの協力で『日本遺産のまち信州上田・塩田平かるた』を制作した。
同協議会では、上田市の日本遺産認定ストーリーの認知向上や普及啓発を図るため、視覚的にストーリーの内容や魅力を伝えようと、かるたや絵本の制作を進めている。
今回のかるたは、「あ」~「わ」までの44字に、それぞれ上田市の日本遺産の構成文化財や、塩田平の民話・伝承などをテーマとした絵札と読み札を制作。一例は次の通り。
▽「あ」=「雨を乞う 塩田の祈り ため池に」▽「く」=「鞍が淵 小太郎伝説 蛇骨石」▽「さ」=「産川に しずめて雨乞い 赤地蔵」▽「と」=「冬至と夏至 太陽通る レイライン」▽「の」=「のぼり龍 くねくね走る 別所線」▽「ふ」=「降れよ雨 夜空をこがす 百八手」▽「ま」=「松茸は 塩田平の 秋の味」▽「よ」=「八日堂 蘇民将来符 厄除けに」▽「る」=「瑠璃色の マダラヤンマ 飛び交う東山」。
「鞍が淵と蛇骨石(くらがふちとじゃこついし)」は、小泉小太郎伝説を、「野倉赤地蔵」は、赤地蔵を産川に沈め、わざと地蔵を怒らせて雨を降らそうとした野倉地区の風習をテーマとする。
また「千駄焚き百八手(せんだだきひゃくはって)」は、ため池などの周りで人々が松明を灯し『雨降らせタンマイナ』などと唱える雨乞いの風習。「マダラヤンマ」は〟空飛ぶ宝石〝とも呼ばれる、塩田平のため池に生息する希少なトンボだ。
他にも同かるたでは、ため池によって様々な形で存在する伝承を取り上げたり、風習や文化財をテーマにした絵札と読み札で楽しみながら学べる。またかるたに併せ「日本遺産 信州上田塩田平かるたマップ」も制作した。
今後、同かるたは今月中に市内小学校へ2セットずつ、保育園・幼稚園・認定こども園へ1セットずつ、公民館へ2セットずつ配布する予定。また、かるたは非売品のため一般利用は公民館から貸し出しを受けて行う(好評の場合は、増産・販売も検討する)。