環境経営レポート部門 最高賞「環境大臣賞」
上田市秋和のコムパックシステム㈱(鈴木由彦社長、ダンボール/総合包装)はこのほど、「エコアクション21オブザイヤー2021」で、環境経営レポート部門の最高賞「金賞(環境大臣賞)」を受賞した。
エコアクション21オブザイヤーは、(一財)持続性推進機構が行うもの。環境省策定の環境マネジメントシステムガイドライン「エコアクション21」の認証事業者を対象に、年1回の作成・公表が必須の「環境経営レポート」及び社会課題解決につながる取り組みを顕彰。脱炭素社会の実現やSDGsの達成に向けた多様な取り組みを、国内に広く発信することなどが目的で今回が初年度の表彰だ。
募集は2部門で、環境経営レポート部門89社、ソーシャル部門30社の計119社からの応募があり、環境経営レポート部門で6社(金賞1社、銀賞2社、銅賞3社)、ソーシャル部門で5社(金賞1社、銀賞1社、銅賞3社)の計11社が受賞した。
コムパックシステムは「71期環境経営レポート」(2020年4月~2021年3月)の内容が評価され、今回の最高賞を受賞。環境経営レポートは1年間の取り組み内容、会社の方針や考え方などをまとめたもので、同レポートは同社HP内(https://compack.co.jp/eco/post-1.html)で公開している。
コロナで表彰式は中止 鈴木社長が思い語る!
当初1月29日に予定されていた東京での表彰式は中止になったが27日、送付された表彰状を手に同社で鈴木社長が思いを語った。
鈴木社長は、受賞に「環境大臣賞をいただけたことは、取り組んできた社員みなの大きな喜び・励みにもなったと思う。モチベーション向上につながり、会社にとってすごく有り難い」と話す。
コムパックシステムでは、2008年にエコアクション21認証を取得。当時は「先代社長の時で、リーマンショックの直後に会社が厳しかった時期」といい、「まだ環境に対して意識が薄かった時代だったが、こうした所に取り組まなくては将来、社会に認めていただけない時代が来ると考え、取り組みを始めた」という。
エコアクション21認証後は、「持続可能な社会づくりに向け、環境貢献と本来業務との関係性を強くして目標を設定し、視野を広げながら取り組みをレベルアップしてきた」と振り返り、「『この地域のお客様に役に立てることは何か』『今、必要とされていることは何か』『SDGsに貢献できることは何か』と考えており、最近は特に外部の方とのコミュニケーションを意識して取り組んでいる。今回の受賞は内部の取り組みもそうだが、地域との関わりやコミュニケーションを大事にしてきたことが評価されたと思う」と語った。
SDGsや働き方改革 上田創造館企画展参加
同社内では、本来業務について生産性の向上・在庫やロスの低減を行っており、「それが結局、節電や労働時間の短縮になり、SDGsや働き方改革につながる」とする。一方、外部とのコミュニケーションについては、災害時にダンボールベッドなどを活用する行政との災害時協定締結やコロナ禍に対応し、リサイクルしやすいダンボール製のデスク・パーテーションなど各種商品を開発し、地域に貢献。
さらに上田創造館の企画展では子どもたちに向け、段ボールで作った恐竜や迷路、遊具など包装材としてだけでない、親しみやすい展示品を提供。循環型社会に適した段ボールを通して、リサイクルの重要性を伝えた。
「持続可能な社会づくりに今後も取り組む」
また上田高校・長野大学でのSDGs関連などの取り組みを伝える出前授業や大学生の工場見学受け入れ、専門学校学生との商品開発など、様々に地域とのコミュニケーションに注力してきた。
令和元年東日本台風災害も、環境について考えるきっかけになったという鈴木社長は「環境問題は、大企業や他の誰かが取り組めば良いというのでは駄目で、避けては通れない問題。一人ひとりが考え、取り組みを積み重ねることが大事。いつか、みながやりだせば大きな成果につながっていく」とし、「持続可能な社会づくりや豊かな社会を子どもたちにバトンタッチできるよう、今後もギアを一段上げながら取り組んでいきたい。企業の責任として脱炭素社会、持続可能な社会づくりに今後も取り組む」と、力強く語った。
なおエコアクション21は、事業者の環境への取り組みを促進するとともに、その取り組みを効果的・効率的に実施するため、中小企業に負担がなく取り組みやすい環境経営システムの在り方を規定している。環境経営レポートはステークホルダーに積極的に公開して、地域を巻き込んで環境に貢献していこうというものだ。