上田市立博物館赤松小三郎と真田氏関係の資料展示!新たに測量器具一式やミニエー銃など

信州民報

地域の身近な歴史に興味を持ってほしい―。上田市立博物館(和根崎剛館長)はこのほど、本館・別館「常設展示」の一部の展示替えを実施。新たに購入した赤松小三郎関係資料や、真田氏時代の上田の様子を表す資料展示を開始した。


 赤松小三郎に関する研究などを行う赤松小三郎研究会事務局の関良基さん(拓殖大学経済学部教授)や和根崎館長がこのほど、資料について解説する記者説明会を開催。新たに展示しているのは『赤松小三郎所用 測量器具一式』『赤松小三郎所用 ミニエー銃』『天正年間上田古図』『元和年間上田城図』の4点で、赤松関係の資料は赤松小三郎研究会が所蔵していた資料を今年度、博物館で購入したものだ。


望遠鏡、水準器、分度器、測量器など金属製の精密測量機器などを含む測量器具一式の中の『八分儀(はちぶんぎ)』は、赤松が学んだ数学者・内田弥太郎の号「宇宙堂」が記されており、赤松の父(芦田勘兵衛)の手紙から赤松が内田弥太郎から借りて使っていたことが分かるという。


関教授は「江戸時代にすでに近代的な技術があった。日本の測量技術の高さがうかがわれる貴重な品」とし、和根崎館長は「幕末・明治維新の時期に、なぜ上田が全国から注目され、こういった人物を輩出したのかということも、市として調査研究していかなければならない。展示で研究が盛んになることも期待している」と語った。


また真田のころの上田城の様子を描いた唯一の絵図とされる『天正年間上田古図』(年代不明、江戸後期から幕末か)について、和根崎館長は「徳川の2度の攻撃を打ち破った真田のころの上田城を評価するなかで、こうした資料が生まれてきたと考えている」とし、「真田のころの城が絵図の通りだったとは考えていないが、こうした資料が幕末にあり上田城がどのようにとらえられていたのかを感じてもらいたい」と説明する。


さらに「真田の城が破却された状態がしっかりと伝えられている」という『元和年間上田城図』(年代不明)も含め、「真田の上田城を表す、現在知られている2つの資料の両方を展示した。これまで皆さんにご覧いただく機会がなかったが、色々な方に見ていただいてこの資料の評価を盛んにしてほしい」と話した。


展示時間は午前9時~午後5時(ただし入館は午後4時30分まで)。観覧料は一般300円。学生200円、小・中学生100円。

▲上田城関係資料について説明する和根崎館長
▲ミニエー銃には「赤松」の刻印もある


 
 

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