せめて正月には華やいだ日々を取り戻してほしい―と、上田市中央「ゆたかや」(田中浩二社長)3階・語らいの鼓で7日、正月の風物詩「上田七草の会」が開かれた。感染症対策のため3部に分け、参加者を分散して開催。着物姿の計約100人が、無病息災を願う吉例行事に参加した。
同会は昭和62年に始まり、今年で36回目だ。昨年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、多くの参加者のもとで開催できず今回は2年ぶりの開催。昨年は「縁起事は切ってはならぬ」と無観客で開催し、録画した映像を配信した。
田中社長は「通常は午前と午後の2部制のところを3部制とし、内容も一部省略して時間を短縮して、なんとか開催できた」と胸をなでおろす。
この日は、本紙でもお馴染み・民俗研究家の小宮山宗輝さんによる『七草はやし』を実施。小宮山さんが「七草なずな、唐土の鳥が日本の国へ渡らぬように」と、リズミカルに七草を叩く。
清めた七草は、七草粥にして参加者に配布した。参加者は「今年は参加できてよかった。1年間元気に過ごしたい」などと話す。
その後は無病息災・一年の幸せを約束する『寿獅子』の獅子舞を行い、獅子が参加者の間を回って厄払い。今井美樹さんの二胡の生演奏も行い、参加者は悠久なる響きに包まれた。