クリスマスを自宅で過ごすことができない子どもたちへ、本をプレゼントしよう―。サンタクロースとなって、協力店舗で本を購入する賛同者を募った「サンタプロジェクトうえだ」(清水重信代表、実行委員22人)は23日、本の贈り先・児童養護施設「森の家はらとうげ」(上田市御所)へ清水代表ら5人が訪問。本を届け、永井淳夫理事長と和田良一園長へ本購入者やプロジェクトメンバー、協力店舗の思いを伝えた。
本は、同園に入所する2歳から18歳の23人に1冊ずつ贈呈。子どもからのリクエストや年齢などに合わせ、賛同者が思いを寄せて選んだものだ。プロジェクトメンバーも賛同者の本選びの参考になるよう、年齢別の選書リストを作成したという。本には購入者からのメッセージが添えられており、メッセージカードのデザインなどを行ったのはプロジェクトメンバーの学生たちだ。
この日、清水代表らは「資金の無い有志団体が、クリスマスを迎える喜びを共にしたいと願って活動し、実行委員も書店の人も本を購入してくれた人も、心が温かくなった。多くの人の思いが本という形になった」と伝え、「子どもたちが本を読んで、夢・未来を描くことを願う」と語った。
またポスター作成では、高校生や大学生が描いた数十枚の原画に対して投票・選定したことを伝え、「全ての原画や学生たちが自ら書いた活動の感想などを冊子にし、後日お渡しします」とする。
永井理事長は「再来年80周年を迎える。これまでに1000人以上が巣立った」と園の様子を伝え、「コロナ禍で年末年始を園で過ごす子もいる。25日のクリスマス会で一人ひとりに渡す」と話し、お礼を述べた。
同プロジェクトの活動は2年目で、今年から子ども食堂へ贈る図書カードも募り138枚(16万円相当)が集まったという。今後、市内10カ所の子ども食堂へ贈呈する予定だ。清水代表は「予想を超える多くの人の協力を得た。温かいお心に感謝する」と話す。
なおサンタプロジェクトは2009年に新潟県で始まり、現在は東京都、神奈川県、長野県(松本、長野、諏訪、上田)で実施。上田市では、有志が昨年プロジェクトを立ち上げた=本紙既報=。


