上田地域の若手経営者や後継者らで組織する、上田商工会議所青年部が創立35周年を迎えてこのほど、式典と記念講演会が上田市の上田東急REIホテルで開かれた。
式典では、沓掛恵介会長が「今年度は『新しい年輪づくりを楽しもう』と、コロナ禍でも活動を積み重ねている。現在、会員は78人、3年間で20人以上の新会員を迎えた。受け継がれてきたバトンを次の世代へ繋げていく」とあいさつする。
また「今回は新型コロナのため会場の人数を制限したが、40周年は盛大に行いたい」とし、歴代会長代表として初代会長の清水貞男さんへ感謝状を贈呈した。さらに手塚大輔副会長、山越基史副会長と3人で『三十五周年宣言』をし、「地域を支える青年経済人として、先導者たる気概で研さんに努める」など、5項目を挙げて決意表明した。
記念講演会は「偉大な先輩に学びたい」と、㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問の鈴木敏文氏を講師に招き開催。会場95人、オンライン89人の計184人が聴講。鈴木氏は『今の時代に思うこと~地域経済を担う若手経営者達へ~』と題して講演した。
坂城町出身で小県蚕業高校(現・上田東高)から中央大へと進み、東京出版販売を経てイトーヨーカ堂へ入社した鈴木氏は、日本初のコンビニエンスストア「セブンイレブン」を立ち上げ、物流改革や情報システムの構築、コンビニに銀行設置などイノベーションを起こした。セブン&アイ・ホールディングスのトップを長年務め、カリスマ経営者として名高い。
講演では「来年90歳になる」とし、「出版社に入社すると、取材で一流の作家・評論家に会うことができた。考えてもみなかった道に導かれたが、人生の大きな勉強になった」と、辿ってきた道について語る鈴木氏。
そして座右の銘『変化対応』という言葉を伝え、「自分でやろうと思ったことを続けること、実力を養うことは大事だが、『運』は人生の大きな要因になる」とし、「世の中は変わっていく。変化に対して対応すること。上手に自分に取り入れていく」と説明する。
そして「今ほど変化している時代は無い。色々なことに対して諦めずに挑戦することが大切。思いつきではなく適応すること。自分に向いているものがあるはずだ」と伝え、若手経営者らにエールを送った。
講演後は活動報告などを実施。研修会を重ねて自己研さんに努め、「上田真田まつり決戦劇」「信濃国分寺駅イルミネーション」「上田わっしょい」など、地域を盛り上げる活動に励んでいる青年部の取り組みを伝えた。