「街をもっとカラフルに~皆で取り組む、安心安全な街づくり~」をモットーに、障がいのある人もない人も共に暮らせる共生社会を目指して学習会や調査などを行う、上田市の市民活動団体「ダイラビ」は7日、上野が丘公民館で公開勉強会を開催した。
ダイラビは筋ジストロフィー当事者の井出今日我さんが代表を務め、視覚障がい(全盲)があり盲導犬をパートナーとする角谷美由紀さんと、元バスガイドの経歴を持つ西澤京子さんが副代表、車いすユーザーの吉本茂さんが事務局を担当して今年から活動を開始した。
ダイラビとは、ダイバーシティ(多様性)とラビット(手助けが必要な者)を合わせた造語だ。井出さんは自立した生活への挑戦を続け、これまでも「理解の輪」を広げる様々な活動を展開してきた。ダイラビでは関心を寄せる人々との学習機会を持ち、障がいのある人や高齢者、子ども連れの人など誰もが利用できるバリアフリーマップの作成を目指している。
勉強会は新型コロナの感染拡大などで中止・延期が重なり、この日が2回目。「バリアフリーを考えるための大切な視点」「街中におけるバリアって?」などを内容に、講師には長野工業高等専門学校の藤澤義範教授を迎えた。
藤澤教授は2013年に長野市の社会福祉団体などと「Unimapプロジェクト」を発足し、2014年度は「長野市善光寺を中心としたユニバーサルな観光マップアプリ」を開発。2017年度はまちなかの多目的トイレなどを次々と紹介していく「トイレのリレーマップ」作成など、長野市でバリアフリーマップ・アプリを作成・開発している。また昨年度からは「視覚に障害のある人のための触る水害ハザードマップ」の開発に取り組む。
この日は取り組みについて伝え、「ほしい人に、ほしい情報が伝わるように作る」方法などを示した。また「長野市から始めたユニバーサルマップを他市町村、県へと広げていきたい」とし、「善光寺仲見世通りの現地調査(道幅・段差・スロープ角度、トイレなど)は小学生と行い、子どもたちにとって価値ある経験となった。マップづくりに色々な人を巻き込むことは意義のあること」と、伝えた。
会場では20人ほどが熱心に聴講し、またオンラインでの聴講も実施。この日はさらに公民館周辺でフィールドワークを行い、視覚や身体に障がいのある人が不便と感じること・箇所を確認した。


