上田市中之条の上田千曲高校機械科3年生が取り組んだ、ペール缶を再利用した「オリジナル燻製器」が完成。販売するNPO法人気塾(原田孝彦理事長、下室賀)が2日、同燻製器「くんちゃん」を青木村の道の駅あおきに展示し、生徒らが燻製器の実演を行った。
同校機械科・電子機械科3年生らは、グループで様々な製品の開発に取り組む。一昨年は高校生の交通事故ゼロに向けた「反射材製作プロジェクト」が、若者が付けたくなるデザイン「反射キーホルダー」を制作。長野中央署から感謝状を受けるなど、ものづくりで地域に貢献している。
障がい者就労支援事業所・気塾(通所定員20人)は同校生活福祉科生徒の実習受け入れ、反射キーホルダー製品化までの組み立てや細かい作業を通所者が手伝っていることから、燻製器用「さくら」と「りんご」の木チップづくりを担当した。
燻製器の実演をしながら、生徒らは「缶が円形のため定規が使えず大変」「火口扉を溶接でつける際、ちゃんとした位置につけるのが難しかった」など製作までの苦労を話し、王理智班長(18)は「ものづくりのお陰で、いろいろな人と会話ができ地域とつながりができる」と活動を紹介。
また今年度版の新しいキーホルダーを提示しながら、「射出成型金型による樹脂製品の開発」班の藤澤綺咲班長(17)は「キーホルダーの成型で、企業の社員らと話す機会もでき工業実習もしてもらえ、それが授業の時に確認ができて勉強になる」と、ものづくりの利点を強調した。
価格は燻製器「くんちゃん」2800円、りんごチップ(200㌘)200円、さくらチップ(180㌘)180円。反射キーホルダー200円。いずれも税込み。道の駅あおき店内に常設。原田理事長は「同じ目的を持ち共同してやることで、これから次代を担っていく高校生が障がい者を身近に感じてもらうことができる」と喜んでいた。