上田市真田町の石舟自治会有志でつくる「石舟歴史の会」(滝沢博文会長、約20人)は11月27日、歴史遺産を活用した住民交流・地域活性化事業の一環として「石舟・縄文の火祭り」(縄文土器の野焼きイベント)を開いた。
同会は「地区の大切な歴史を掘り起こし、子どもや住民の興味や関心を深めるため、学習・体験を進めていく」と活動。昨年から石舟地区にある、約4000年前の縄文時代後期の雁石遺跡に関する事業を進めている。
昨年11月には会員らが手作りで「縄文の家」(竪穴式住居)を完成させ、今年は縄文土器の制作に取り組んできた。
土器の制作は10月31日に行い、子どもから大人まで地区住民23人が参加し、野焼き用陶土を用いてそれぞれ好きな形の土器類を完成。今イベントは乾燥させたその土器を、縄文時代さながらに野焼きするもの。地元の長小学校土器クラブ(4~6年生、14人)の土器も一緒に焼成した。
会場は「縄文の家」近くの畑地で、石舟自治会・滝沢芳行自治会長は「この一帯から土器が出土している」と話す。またイベントを先導する石舟歴史の会・小田卓資副会長は「木枝や木材を燃やして900℃にし、会員が責任を持って焼成する」とした。
野焼きは滝沢自治会長や長小の土器クラブ・羽田悠里クラブ長(6年、石舟自治会)らが点火して開始。小学生の作品は手形を押した平板や自由に制作した土器類で、住民の大小様々な作品を含め約120点が火と煙に包まれて焼かれていく。
これに合わせて「火祭り」では古代民族楽器演奏や焼いも、子ども対象の弓矢・火起こし体験などを実施。滝沢博文会長は「出土品の中に魚型土製品(市有形文化財)がある。笛ではないかとされており、次年度はこれと同じものを作って演奏を目指したい」とした。