演劇好きには、待ちに待った秋の演劇シーズン到来―。上田市街地を演劇の渦に埋める、恒例「上田街中演劇2021」が開催中だ。
主催は地元芸術文化の支援に取り組む団体「シアター&アーツうえだ」(荒井洋文代表)。会場は同団体が運営する市内海野町の民間文化施設「犀の角」を中心に、様々な個性的な空間で演劇作品の公開やイベントなどバラエティ豊かな演目が11月23日(火、祝)まで、2カ月間繰り広げられている。
23、24日には市内浦野の㈱川西の木材倉庫を会場に、名古屋市を拠点に活動する「月灯りの移動劇場」によるウィズコロナ時代の鑑賞形式を提案する、「ソーシャルディスタンス円形劇場公演」と銘打ったダンスパフォーマンスが開かれた。
倉庫の中に30枚の木製扉に囲まれた直径14㍍の円形舞台を設置し、観客は扉一つずつに仕切られた個室空間から扉に空いた穴を通じ、パフォーマンスを覗き見る。題名は「PEEPING GARDEN re:creation」で、円形舞台の中では3人の踊り手が躍動した。
同演劇祭は2016年から犀の角を中心に市内の中心商店街で開催してきたが、市外での公演は別所温泉の野外施設以来。荒井代表は「セットが大きいので会場探しに苦労したが、現役の倉庫を貸してもらったおかげで田舎では見る機会がない最先端の芸術が見られる」とし、「11月までいろんな劇団がやってくる。ジャンルにこだわらず楽しめる。気楽に足を運んでほしい」と話す。
演劇祭は11月23日(火、祝)まで続き、次回は30日(土)午後3時~と午後6時30分~、31日(日)午後1時30分~と午後5時~、上田市出身の小林風生子さん主宰の劇団「anemone」の『空の村号』。会場は犀の角、チケットは学生2500円、一般3000円。問い合わせは℡71―5221(犀の角)へ。