上田市で初のクラフトビール造りに取り組む「天神麦酒醸造プロジェクト」(石井侑馬代表)は10日、発泡酒製造免許と保健所営業許可を受け、いよいよ13日から地ビール(発泡酒)の醸造を始めた。
石井代表は上田市天神(旧ニューパール通り)に開設した、店舗併用型マイクロブルワリー(小規模ビール醸造所)『天神BREWERY」で概要と今後の予定を発表した。
石井代表は「醸造タンク300㍑×3本などを備えた醸造所で、まずはラガー・エール・黒の3種の発泡酒を造り、10月16日の店舗オープンを目指す」と話す。
さらに「飲食スペースには7つのタップを設置した。地産地消・地域循環のプロジェクト理念から、市の取り組み『信州上田なないろ農産物』にちなんだもの。桑の実など上田の果実を取り入れたものなど種類を増やし、ゆくゆくは7種を提供していく」とし、年間約20㌔㍑(缶ビール換算・約5万7000本)の製造を計画しているという。
また「遊休農地などを活かしたホップの栽培にも取り組み、福祉事業所との連携も進めたい。麦芽カスを養鶏の肥料にするなど、地域循環システムも構築したい」とし、「食に関しても地産地消にこだわり、上田らしさを提供していく」と想いを語った。
なお同プロジェクトは石井代表ら9人が発起人となり、「持続可能な豊かな地域の創造」を理念に、地産地消・六次産業推進・農福連携を推進し、新たな雇用・新たな消費を生み出して地域を活性化し、魅力を発信しようと2年ほど前から地ビール事業に取り組んできたもの=本紙昨年9月20日付け既報=。
上田駅前の店舗兼醸造所は「ブリューパブ」スタイルとし、醸造スペース、飲食スペース、多目的ホールを備えて「賑わい創出の拠点」とする。独立経営するまでは上田市の「上田道と川の駅おとぎの里」が施設管理・経営をサポートし、クラウドファンディングによる応援と出資・運営などのサポーター支援を呼びかけ、法人化を目指している。問い合わせ・申し込みは電話75‐0587まで。