【上田市薪能を見る会】能『田村』入門講座に40人上田城跡能関連企画で開催

信州民報

上田市薪能を見る会(小山壽一会長)は7日、上田城跡能で演じられる能『田村』の入門講座を市中央公民館大会議室で開いた。


同講座は上田城跡能関連企画として公演前に毎回開催し、この日は本公演鑑賞予定者や能楽に興味のある人ら約40人が参加した。半数以上が入門講座を初めて受講するといい、3分の1は能の鑑賞も初めてという。


能『田村』は、「清水寺を訪れた僧が童子に出会う。童子は坂上田村丸(麿)が寺を建立した謂れを語り、僧と共に桜月夜を楽しみ田村堂の中に姿を消す。僧が経を読んでいると武将姿の田村丸の霊が現れ、合戦での勝利を話して観世音の仏力を称える」というもの。勝ち戦の武将を主人公にした勝修羅能で雄々しい姿が描かれ、祝言の色彩も帯びているという。


講師は上田宝生会会長の宮川克巳さんで、宮川さんは「能をより理解し楽しんでもらうために、一度聞いておいた方がわかりやすいから」と、『田村』の謡本をわかりやすいテキストにして配布し、謡と台詞部分を謡って物語を進めながら要点を解説した。


会場には前シテの童子面、後シテ(坂上田村丸)の平太(へいだ)面も飾られ、参加者は自由に被って「能面は視野が狭い」という宮川さんの解説を確かめながら、能舞台に思いを馳せる。市内60代女性は「以前、野村萬斎さんの狂言を見て以来で、久しぶりの能が楽しみ」とし、「能は日本人にとって全部が魅力的」と話した。


第24回上田城跡能は28日(土)午後1時30分開演、会場はサントミューゼ大ホール。S席3500円(残り僅か)、A席3000円。B席2500円(全席指定、税込み)。購入はサントミューゼほか上田文化会館、丸子文化会館、真田中央公民館。問い合わせは市交流文化スポーツ課℡75―2005(平日開庁時)。

▲能面を被ってみる参加者
▲能をわかりやすく解説する宮川さん
 


 

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