【上田創造館】企画展「日本の生物多様性とその保全」 上田地域の展示では希少な蝶などを紹介29日まで

信州民報

上田市の上田創造館2階美術館で現在、夏の企画展「日本の生物多様性とその保全」が開催中だ。国立科学博物館の巡回展で、日本の生物多様性の豊かさを伝えるとともに、その豊かさが失われていく状況を伝え、守るための保全活動を紹介するもの。同時に長野県と上田地域の展示も行っている。


生物多様性については「種レベル」「遺伝子レベル」「生態系レベル」の多様性があり、「日本は亜寒帯から亜熱帯まで、それぞれの気候に適した種が生息することに加え、多くの固有種が生息する」と伝える。


また生物多様性の高い地域(琉球列島、小笠原諸島、本州中部の高山)の動植物を紹介。さらに「里山は特定の種の動植物と強く関わる」とし、養蚕に関係するカイコガ、水田に関係するコバネイナゴなどを示す。


さらに藻場・干潟の減少から魚類の生息域が、シカの増加から草本層が食い荒らされ日本の豊かな植物層が「失われていく」とし、保全活動として「茨城県のコシガヤホシクサの野生復帰」「鳥島のアホウドリの保護・生息域内保全」を紹介する。


長野県に関する展示では高山、森林、里山、河川、湖沼、湿地の生物多様性を示し、「外来種」「野生動物の増加」「開発・荒廃」による危機と対策を紹介。上田地域に関する展示では高原の生きもの(ニホンカモシカ、アサギマダラ、キキョウ)、里地里山の生きもの(リス、ミンミンゼミ、シナノアキギリ)、平地河川などの生きもの(ムクドリ、ヤマメ、ツリフネソウ)や真田地域の希少な蝶・美しい蝶(オオムラサキ、コムラサキ、ミヤマシロチョウ、ギフチョウ・ヒメギフチョウ)を紹介している。


「絶滅危惧種の宝庫・菅平高原」では、エゾサンザシ、オキナグサ、カラフトイバラなどの植物やミサゴ、ハヤブサ、トキなどを伝え、夏休み中の企画展に親子で訪れて熱心に鑑賞・学習する姿があった。期間は29日(日)まで、時間は午前10時~午後3時半。入場無料。

▲「上田地域の生物多様性」の展示

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