美術に親しむ機会を―と、青木村郷土美術館(大井喜久館長)は1日、講座「趣味アトリエ」を開催。今回は「夏休み中の子どもらも参加できるように」と、『大人と子どもの写生会』を企画。村内や上田市から15人ほどが参加した。
同美術館は大法寺境内にあり、「見返りの塔」と呼ばれる国宝・三重塔の下方に位置。高台にあることから村内や遠くに独鈷山、青木三山を見渡すことができる。また境内や参道にはユーモラスな表情の「石仏体五百羅漢」が並び、周辺には竹林があるなど豊かな自然環境に恵まれ、この日は「周辺の風景を写生しよう」と参加を呼びかけた。また「描き終わったら、美術館喫茶室でジュースをどうぞ」とし、〟美術館を楽しむ内容〝を盛り込んだ。
講師は同美術館で月2回の「絵画クラブ」を指導する、日本画家・生島潔さん(上田市)が務め、「午前中のみの講座なので、描きたいと思ったものを好きなように描いてみよう」とスタート。参加者はスケッチブックや画板、絵の具など思い思いの画材を持って参加した。小学生からシニア層まで絵画経験も様々な人が集まり、なかには「美術部」「学生時代以来、数十年ぶりの絵画挑戦」という人もいる。
境内を巡り、写生場所や題材を決め早速、スケッチを始める参加者ら。三重塔は上方から描く人、下から見上げて描く人と様々だ。高台から遠くを見つめ「観音堂の屋根の向こうに独鈷山が見える」という人や、様々な表情の石仏を見て「これを描く」と決めた小学女児も。夏の暑さの中にも、さわやかな風を感じる環境で写生を楽しんでいた。