上田市住吉のパチンコ店「よろこびの街100万ドル上田インター店」(山本大輔店長)で15日、強盗対応訓練が行われた。
景品交換所に男が「金をとり忘れた」と声をかけ、パチンコ店従業員を呼び出し、ナイフを突き付けて人質に取り、袋を出して「金を入れろ」と要求。交換所責任者がドアの格子越しに金を渡すと、ひったくって飛び出だすまで約1分。訓練とはいえ、緊張が走る。
同交換所は通常、客とのやり取りは小窓越しに行い、金品の受け渡しも小窓の下の小さなボックスで行うため客と直接、接する機会はなく、地域では一番頑丈な景品交換所だというが、従業員が来ると開けてしまうという。責任者の鈴木高志さん(38)は、「これからは、こういうことがあると想定しながら仕事しなくては」と話す。
また人質になった従業員・儘田彩子さん(37)は110番通報の際と、駆け付けた警察官から事情聴取を受けた際に、「犯人の服装や体格など特徴を細かく聞かれた。でも意外と覚えていない」と苦笑いだ。山本店長(41)は「訓練のお陰で、イザというとき気を付けることがわかる」と話した。
この日は遊技場関係者ら15人ほどが訓練を見守り、上田署では「犯人の特徴は何人かで分担して覚えるといい。日ごろから防犯カメラの操作方法を知っておくこと。犯人の触った箇所を保存すること」と伝える。そして最後に「身を守ることが一番」と伝え、参加者らによるカラーボールの投てき訓練も行った。
訓練が終わった後、上小遊技場組合・中澤興弥組合長(㈱アメニティーズ)は「防犯訓練は年に何回か企画していきたい。今日のことをみんなに伝えてほしい」とあいさつ。取材に「上田署と連携してやることで協会の防犯意識が高まる」と話した。
上田署管内の強盗事件は平成31年以降、起きていない。この日の強盗対応訓練は、4月のコンビニに次いで今年2回目だ。