上田市岩下の上田養護学校で9日、高等部3年生(在籍33人)が「模擬投票」に臨んだ。同校は「選挙権を得る年齢になること、卒業に向けて社会生活に必要な力を付けることの観点から、3年生になったら模擬投票を行う」とする。
この日は県選管上田地域振興局から3人が同校を訪問し、選挙制度を説明。実際の選挙で用いる投票用紙など物品を用いて模擬投票を行った。上田地域振興局企画振興課の渡辺守主任は、選挙や投票の仕方について「選挙はみんなの代表を決めること。投票先を決めるために情報を集め、自分がいいと思った人に投票しましょう」と伝える。
また「分からないことがあったら『コミュニケーションボード』があるので、あてはまる内容を指でさして係員に聞いてください」「書くことができなかったら、代わりに記載してくれる係員がいます」と話し、「みんなの代表を選ぶ大切な選挙に行きましょう」と伝えた。
模擬投票は、秋以降に行われる見通しの衆議院選挙を想定して実施。生徒は配布された入場券を持ち、別室に用意された投票所へ行き実際の選挙と同じ方法で投票を体験した。
受付でもらった投票用紙にまず選挙区の候補者3人から1人を選び、名前を記載して投票。次に比例代表の候補・3党から1つを選んで投票し、その後に開票結果も知らせてもらった。
代表生徒は「選挙の仕方をていねいに教えてくださり、ありがとうございました。自分にもできそうです。大切な1票を大事にしたいと思います」と、お礼のあいさつをした。
担当教諭は「生徒は生徒会の選挙で『〇』を付ける経験はしているが、名前を書くのは初めてで少し緊張したようだ」と言い、「実際に体験することで意識が高まる。今後につながる貴重な経験になったと思う」と話した。
なお県選管は「新たに有権者となる若者に選挙の仕組みや投票参加の意義について理解を深め、政治や選挙に関心を持ってもらおう」と、高校などで模擬投票を実施している。