「オンラインでなく、リアルに会えて感無量」。新型コロナ感染者や医療従事者らへの誹謗中傷・偏見に歯止めをかけようと、全国に広がる「シトラスリボンプロジェクト」の輪。その原動力となった松山大学(愛媛県)甲斐朋香准教授と県内で活動するNPO法人「健康サポートまごの手」斉藤恵理子代表が10日夜、上田市内で懇談した。
シトラスリボンプロジェクトは、甲斐准教授の有志グループ「ちょびっと19+」が取り組んだもの。「ただいま」「おかえり」を言い合えるまちに―のコンセプトを掲げ、感染者や医療従事者、その家族らが地域に帰って来た時、普段どおりの生活に戻れるよう願った活動だ。リボンには「地域」「家庭」「職場または学校」の3つの場所を『輪』で結ぶという意味があり、付けるリボンのカラーはシトラス色(黄緑色)。
二人の出会いは、甲斐准教授が県厚生連佐久総合病院(佐久市)で開かれた、農村医学夏季大学講座での講演に招かれたこと。「まごの手の斉藤さんに会いたい」と、上田市内の知人に声をかけたのが始まり。偶然の出会いに、「これも縁。短い時間に濃密な時を過ごさせていただいた。感動」と、甲斐准教授は話す。
斉藤さんも「いつか松山を尋ねたいと思っていた。お聞きしたいこともたくさんあり、お会いできて嬉しい」と感動を伝え、「全国のシトラスリボン活動する人は、甲斐さんを呼びたいと思っている。感謝です」と語った。
懇談では、お互いの活動内容を伝えて大盛り上がり。そして二人が声を揃えて言ったことは「『そんなこと、あったっけ』と、私たちの活動がなくなることが一番」とした上で、「次から次へと誹謗中傷の話が入っており、まだ役割がある」とする。最近は、新型コロナのワクチン接種をしないことによる差別やハラスメントも問題視されているという。甲斐さんは、ワクチン差別について「考えていかないといけない。体質にあわなくて打てないなど、副反応がある人は命がけ。誰も責任を取ってくれない」とした。
一グループからスタートした「シトラスリボンプロジェクト」。県内でも推進する市町村は多く、斉藤さんは「行政と民間が同じ思いで一体化できている。甲斐さんたちの発案があったから」と思いを伝えた。何の戦略もなく始めた活動は全国へ広がり、各地域の貢献に繋がっている。
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