信大繊維学部に『真綿・蚕糸館』竣工へ「蚕都・上田」盛り上げる建物にしたい衣服やオブジェなど飾られ美術館のよう上田市内

信州民報

 
上田市常田の信州大学繊維学部内に20日(日)、「真綿・蚕糸館」が竣工する。真綿・真綿製品、紬および蚕糸に関する分野における文化振興の寄与を目的に、(一財)日本真綿協会(東京都)が建設、信大に寄贈されるものだ。


真綿は、繭を煮て引き伸ばして作った綿で純白で光沢があり、柔らかくて軽い絹。同協会は、真綿の伝統や文化をより深く知ってもらおうと、真綿関連の情報を発信。令和元年10月には同学部と、国内の蚕糸科学技術、文化の維持・保全並びに次世代の人材育成や文化振興に互いに協力し、寄与すべく包括連携協定を締結している。


真綿・蚕糸館は、繊維学部構内・事務棟(D棟)と感性工学・バイオエンジニアリング棟(H棟)の間に建設。2階建て、延べ床面積は約380平方㍍。6本の齋藤木材製集成材が吹き抜けの屋根を支え、そのイメージは国内で養蚕の始まったころの竪穴式住居という。


階段は一切なく、1階の交流スペース、研究ラウンジから2階の真綿・蚕糸講習室までスロープで繋ぐ、SDGsを考慮したつくりになっている。蚕・小石丸の繭をかたどった窓には、大きく引き延ばした真綿が飾るガラス戸。スロープの壁には真綿で作った様々な衣服やオブジェが飾られ、さながら美術館のようだ。


同学部では「市内の笠原工業・常田館とコラボして見学コースにしたり、市商工観光課と事業共催するなどし、機会を見て多くの市民に見てもらうことを考える」とし、「蚕都・上田を盛り上げる建物にしていきたい」としている。

▲竣工する「真綿・蚕糸館」
▲スロープの壁には様々な真綿のオブジェが… 
▲真綿のガラス戸が繭型の窓を飾る
 

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