上田市殿城の「稲倉の棚田」で25日、上田市立豊殿小学校の5年生(42人)と6年生(36人)が田植えを行った。総合的な学習で通学区内にある、稲倉の棚田での稲の栽培に取り組むもの。稲倉の棚田保全委員会(久保田良和会長)の協力の下で毎年、実施している。
5年生は「こしひかり」、6年生は「もち米」の苗を、それぞれ1.5~2㌃の田に植えた。横に並んで3~5本の苗をていねいに植え、一列植え終わると後ろに下がり次の列を植える。保全委の「足の穴を埋めて、次の苗を植えるように」との指導に、児童は転ばないように気をつけながら片足を動かして穴を埋める。
5年生は「低学年の時に1回やったから、2回目。今日の田んぼの水はなまぬるい感じ。下のほうは冷たいけど、上は冷たくないから気持ちいい」と楽しそうだ。担当教諭は「今後、良い米ができるために何をしたらよいか? と考える時間を持ち、『案山子があったほうがいい』というような意見が出たら取り組みたいと思う」と話した。
一方、6年生は1週間前に「代掻き」を行い、「田んぼリレー」も行ったという。田植えは2年連続で、保全委は「上手に植えている」と目を細める。児童らは「稲倉の棚田での学習は楽しい」と笑顔で話し、苗のケースも洗って意欲的に活動していた。担当教諭は「災害に関する学習の中で、棚田の土砂崩れを防ぐ機能について学んだ。地域の食・景観・暮らしを守る『棚田』を維持することの大切さを考え、地域と連携した学習を進めていく」と話した。