【別所線応援】『黒坂黒太郎コンサート』全線開通と開業100周年の喜びを共に上田市 サントミューゼ

信州民報

全線開通・開業100周年の上田電鉄別所線を応援する「黒坂黒太郎コンサート」は15日、上田市のサントミューゼ大ホールで開催した。同コンサート実行委の主催。


同コンサートは、別所線の存続支援・令和元年東日本台風による被災復興支援を続ける、上田市出身の音楽家でコカリナ奏者・黒坂黒太郎さんと地元コカリナ仲間らが、ずっと温めてきたコンサートだ。


黒坂さんは「私は塩田出身。高校通学では別所線にお世話になった」とし、「3月28日の別所線復興・全線開通は、つらい日々が続く日本中の人々を元気にさせてくれる素晴らしいニュースだった。今日は、その復活と開業100周年を迎えた喜びを分かち合いたい」と伝え、コンサートに臨んだ。


第1部は黒坂さんのコカリナと歌、矢口周美さんのヴォーカル、宇戸俊秀さんのピアノで、コカリナが生まれたハンガリーの曲『チャルダッシュ』、黒坂さんの曲『故郷の山に』『ナナカマドの花』などを披露し、心に響く演奏で観客を魅了した。


休憩を挟み、上田電鉄㈱の山本修社長があいさつ。千曲川橋梁復旧工事と100年の歴史について話し、コンサート開催へのお礼を述べる。


第2部は「音楽と別所線ガイドで綴る構成詩『別所線は生きていく』」と題し、黒坂さんが別所線の将来を考える会などと共に作った曲『夢み鉄道別所線』『別所線牧歌』などを演奏。上田を中心に県内各地から応援演奏に集った「しなのコカリナアンサンブル」、上田女子短期大学「別所線ガイドボランティアチーム」と一緒に創り上げたステージを展開した。


さらに黒坂さんの指揮で、しなのコカリナアンサンブル95人が『信濃の国』を演奏。はかま姿の女子大生ガイドは上田駅~別所温泉駅の車内ガイドを再現し、「鉄橋を渡り…、後方をご覧ください、あれが太郎山です」とのアナウンスで、黒坂さんが太郎山テーマに作った『おーい雲よ』を演奏するなど、観客に別所線と沿線の風景をイメージさせるステージを展開した。


また黒坂さんは、被災木や旧国立競技場の伐採木からコカリナを製作し、様々な支援・応援活動を行っている。この日は広島の「被爆樹」から作ったコカリナ、東日本大震災の被災地・陸前高田市から譲り受けた「奇跡の一本松」の枝で作ったコカリナの音も披露した。


感染症対策から約550席とした会場は、温かさと優しさに包まれ、感動のコンサートに…。なお収益金は、経費を除いて全額を「上田市ふるさと寄付金Gコース『がんばるぞ、別所線!』~別所線応援プロジェクト~」に寄付するという。


なおこの日、サントミューゼ・ホワイエでは上田電鉄が千曲川橋梁復旧工事の様子を伝えるパネル展示、別所線開通記念グッズ販売も行い、来場者と心を通わせた。

▲しなのコカリナアンサンブルと共に『信濃の国』を演奏した
▲黒坂さん、矢口さん、宇戸さんのステージ
▲上田女短の別所線ガイドボランティアチームが共演する

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