母と娘そして孫の三世代が絵画、織物、写真を展示する「石黒嘉子Family展」は現在、上田市のサントミューゼ多目的ルームで開催している。25日(日)まで。
上田市の石黒嘉子さん(87)が今年、米寿を迎えることを記念し、長女の岡田浩子さん(60、安曇野市)が企画したもの。「半世紀に渡って絵画に親しむ母。絵に向かう姿勢はパワフル。自宅にたくさんの作品が保管されているので、米寿のお祝いに展示・披露することにした」という。
嘉子さんは「背中を押されて作品展を行うことにした。開催にあたり多くの人の協力があり、また会場に多くの人が足を運んでくださり、感謝しています」と話す。会場には、嘉子さんの初期の作品から最近の作品まで大小約50点を展示した。
1972年に山本鼎記念館の教室に入会して油彩画を始め、初めて描いた『山越修蔵先生』は「山越館長自らモデルになってくださり、一生懸命描いた」とのこと。
その後は風景・静物・人物と意欲的に絵画制作に励み、東信美術展や県展に現在も挑む嘉子さん。50号の大作『太郎山』『大地』や人物画『座る』『対話』、朝顔を描いた『夏の朝』などから4号・6号の小品まで、想いのこもった作品がずらりと並び来場者に感動を与える。
浩子さんは「教員を退職して念願の織物を始めた」と、明るい色彩が魅力的な織物作品(裂き織りなど)を出品し、手工芸の表現の豊かさを伝える内容。
また浩子さんの息子・原(はじめ)さん(27、川崎市)は、2014年~2015年に南米をスケートボードで一人旅した時の写真、2017年にロシア・サハ共和国を旅した時の写真などを展示。また2018年に祖父が亡くなった時にしばらくの間、嘉子さんと暮らした際に写した嘉子さんの姿を伝える写真なども並べた。
嘉子さんを中心に娘と孫の作品が集う、心温まる展示となっている。時間は午前9時~午後5時(ただし最終日は午後4時まで)。