上田市下之郷の上田女子短期大学はこのほど、自然保育に関するハンドブック「子どもと自然保育BOOKしあわせみつけた『自然と共に生きよう~素敵な発見、出逢いから~』」を発刊した。教職員8人でつくる、子どもと自然保育Book制作&研修会・研究会チームによるもので、スタッフとして4人の教職員が関わったという。
同短大は2016~2020年の5年間、大学地域連携事業として信州上田「やまほいくの里山プロジェクト」に取り組み、研究会や研修会を重ねてきた。幼児教育学科の酒井真由子准教授は、「学生ボランティア『やまほいく探検隊』と教職員が共に自然保育を探求するため、自然保育の学びの場を創ってきた。関係者らが、垣根を越えて学び合ってきた」とし、「実践の集大成として本書を作成した。県内外20近くの園の実践を紹介し、自然保育の仕組み・理論などを伝える内容になっている」と話す。
さらに「元気に遊び学ぶ子どもの姿と、子どもの傍らに寄り添う保育者の姿を書き記した」とし、自然保育の先進的な実践者や研究者が寄稿し、学生のインタビューも掲載。実践例では、上田市すがだいら保育園の散歩・森遊びでの「子どもが自分で見つける・見つけたものを友達と共有する」、上田女短附属幼稚園の裏山での四季折々の遊びなどを多角的に紹介し、様々な立場の人の鼎談「幼児期から学童期につなげたい育ち」「自然との暮らしと安全管理」「地域のなかで暮らす」も掲載する。
酒井准教授、堤裕美専任講師は「保育者、保護者、地域の人など色々な人の理解・関わりを得て、子どもたちは伸び伸びと育っていきます。本書が子どもと保育者と保護者へのエールになることを願っています」と語った。なお1000部を作成し、県内の自然保育認定園に配布するほか市内の幼保育園や関係機関、関係者、希望者に活用してほしいとする。